内容説明
あらゆる欲望が叶う「完全明晰夢」の世界へ
僕は自信を持って断じることが出来る。いま、目の前に繰り広げられているこの風景は偽物なのだと。つまり、これは夢だ。そう口にした瞬間に、その教室に座っていたクラスメイトたちが一瞬で消え去った。
明晰夢―――睡眠中でありながら「これが夢だ」と自覚することのできる夢。そんな幻の世界に、気がつけば僕は迷い込んでしまっていた。
「よく分かったね。ここが夢の中だって。キミ、合格！」
そのとき、僕以外誰もいないはずの教室に声が響いた。見上げれば教壇の上に、白い少女……見たこともない謎の美少女が立っていた。ほんのりと赤い唇。満月のようにぱっちり開かれた金の双眸。爛々と輝く瞳の力強さと雪よりも白い肌の儚さが、あどけない表情の上で同居している。少女は自分の名前をルルディ・リデルと名乗った――。
第３回ライトノベル大賞優秀賞受賞作『クイック・セーブ＆ロード』で幻惑的な世界を描いた作家・鮎川歩待望の新作登場！
夢の世界で謎の少女と出会った少年・有栖が誘われるのは、どんな欲望でも叶えてしまうという「完全明晰夢」の世界！ 荒唐無稽な夢の世界と現実の学園生活が交錯する新感覚イマジネーションノベル！
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らいおねる
4
鬱じゃないけど暗い感じがしてずっと積み本になってた作品。その前にゲロ甘な小説読んでたのでお口直しにと読んでみたら想定通りに暗いものもありつつも想像以上に面白かったです。現実はクソで夢に逃げてその中で出逢う不思議な少女。1冊完結だけど満足しました。2023/01/07
古槍新垢
4
完全明晰夢ラブコメ、なんというガガガ……そんなキワモノと鬱々な展開かと予想してたけど意外にも王道。欝はほんのり、むしろカタルシスに至るためのスパイス程度のものだからそれで敬遠するのはもったいないと思う。後ろ向きに全力疾走する主人公だけど、嫌味な感じは薄いし、夢美少女と幼馴染委員長がヒロインとか恵まれてる。２巻とかどう展開するんだろうか。まぁアリスと銘打っておいてロリが出ないのもアレだし出たら読む。夢でみた美少女に恋しちゃってた黒歴史をもってる人とかオススメ。スティルトン、amazonで買える……ｺﾞｸﾘ。2011/03/23
青豆
3
なんか暗い感じの作品の様な気がして、読む気になれなかったけど面白かったですｗ現実はあくまで現実で、モテない冴えない不幸でも夢の中はヒーローになれる設定が新しい感じです。こういうのって普通夢の中で修行したら現実でも喧嘩なんか強くなってたりして主人公が成長するんだけど・・・現実世界では最後までダメダメなのが良い。ケリを付けるのも夢の世界というオチも面白かった。続巻あるような後書きだったけど出てないんですねぇ・・・残念です。2014/02/05
永山祐介
3
クイックセーブ＆ロードの作者が、その前作の色をそのまま継承したという感じ。主人公の逃避具合と、クライマックスのカタルシスが良いな。2011/03/23
Ency [L-N]
3
最初の数ページを読んで、まさかのラブコメ路線か？ と思ったけど違った（作者もあとがきで「性に合わない」って書いてたけどｗ）。題材的にもっと現実と夢の境を曖昧にしてくるかと思ったけど、そうでもなかった。2011/03/21
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