内容説明
弁護士、各分野の研究者・実践家が協力して、女性への暴力―最も「親密な」関係にある夫・恋人からの―の実態とその根本原因、援助のありかた、問題解決のためのビジョンを全面展開する衝撃の書。
目次
１章 ドメスティック・バイオレンスとは
２章 日本におけるドメスティック・バイオレンスの実態―「『夫（恋人）からの暴力』（ドメスティック・バイオレンス）についての調査」の結果から
３章 ドメスティック・バイオレンスを生み出し、支え、助長・強化する構造
４章 ドメスティック・バイオレンスへの社会的対応・援助システムの現状と問題点
５章 ドメスティック・バイオレンスへの社会的対応・援助システムの課題―変革へのビジョン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
15
DV防止法成立後間も無く書かれた、DVに関する調査研究の本。凄惨な事例の報告と当時の関連法の問題点の解説からなる。国連の女性に対する暴力の撤廃宣言を受け、私人における暴力の放置は女性の権利保障に対する国家の不作為であると規定されたために、DVを防ぐための法律が必要とされた。DVの背景には女性を所有物のように見なす男性の家長的観念があるが、それを裏支えするのが性別役割規範であり、かつ女性就労を抑制する社会保障制度である。DVの抑止には個別事案への対応のみならず、根本的な差別禁止法を作る必要があるとしている。2024/12/08
