内容説明
本書は、アメリカ合衆国の対外政策に関心のある人びとのために、アメリカ外交史、すなわちアメリカの対外関係の歴史について、簡潔で十分な概説を提供しようとするものである。
目次
序章 アメリカ外交の伝統と特徴
1章 独立から100年間のアメリカ外交
2章 国際政治舞台への登場
3章 孤立から介入へ
4章 冷戦の進展と変質
5章 指導力の回復を目指して
6章 対外政策の決定過程
7章 アメリカの経済と外交
8章 アメリカ外交とエスニシティ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
間違いちゃん
1
孤立主義と国際主義がよきアメリカ・悪しき旧世界という二項対立的な対外意識を前提とする点で共通している(p.15)/貿易政策上の2つのキーワード①自由・無差別②相互主義(p.253)、特に後者は「閉ざされた相互主義」として保守派も利用2013/06/03
call
0
アメリカ外交の通史と最後に異なる視点からアメリカ外交史の特徴が述べられている。国家としての年齢が若いため300ページちょっとの分量でも密度が濃い。アメリカ建国の時から、孤立主義、二つの大戦を経て世界の覇権を握っていく様がわかる。高校世界史をやっていればわかりやすいのではと思う。ただ、(当たり前なのだが)1998年発行の本であり、21世紀の記述がないのが残念だと思った。建国から20世紀のアメリカ外交をみわたすことができる良書2017/02/11
Mits
0
アメリカ外交の通史と、異なる視点からの各論がいくつか。アメリカの外交史は、説明がつきやすい方なんじゃないかと思われる。2009/01/04
Krupp
0
題名の通り、アメリカの外交についての概説書。300頁のうち8割位が通史で、残りが「経済外交」と「外交とエスニシティ」についてとなっている。通史はクリントン政権期まで。コヘインが『パワーと相互依存』にて論じていたが、現代アメリカでは内政と外交のリンケージが特徴となっており、経済外交や移民の民族性もそれを意識して解説したと思われる。例えば経済外交であれば、ジョンソン政権期に内政問題である財政支出がインフレを招く→ドルの過大評価→諸外国の買い支えが必要となる→各国のドル保有量がアメリカの金保有量を上回る→2020/01/01