内容説明
日本とインドネシアとの経済関係はかなり密接であるにもかかわらず、インドネシアへの理解は不十分である。とくに周期的に発生する政治事件・暴動は日本人には、不可解なものに映るが、その政治的・社会的意味、構造的背景を一つの視座から見すえるならば、不鮮明と思われた政治動揺の構図が鮮明な姿をもって現われてくる。本書は、インドネシア理解とカントリー・リスクの問題を考えるために有効な視点を提供してくれよう。
目次
1 スハルト体制の成立
2 スハルト体制動揺の構図
3 サウィト事件から1978年国民協議会
4 反華僑暴動からイスラームの過激化へ
5 批判と論争
6 国軍内権力闘争の構図と二重機能論争
7 イスラーム暴動と世代交替