内容説明
JR福知山線脱線事故、SARS、O157、新型インフルエンザ、口蹄疫、東日本大震災―大きな事故や災害があった際に、特定の対象が次々と「やり玉」に挙げられ、強い非難を受ける。そのメカニズムはいかなるものか、マスメディア報道はどのように影響するのか。実証研究から包括的に解明する。
目次
スケープゴーティングとは
第1部 スケープゴーティング=「やり玉」現象とは何だろうか(スケープゴーティングの心理―そのメカニズムを探る;誰がスケープゴートになるのか―原因・責任帰属のプロセス;スティグマ化と非難・責任追及;言葉によるレッテル貼り)
第2部 非難報道に見るスケープゴーティング(事故報道でのスケープゴーティング;感染症報道でのスケープゴーティング;東日本大震災報道でのスケープゴーティング―ブログの「不謹慎」記事の分析から;帰属過程としてのスケープゴーティング―2つの事例分析から;記憶バイアスとスケープゴーティング)
スケープゴーティング現象にいかに向き合うか
報道におけるスケープゴーティング現象をとらえる方法
著者等紹介
釘原直樹[クギハラナオキ]
大阪大学大学院人間科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もぐら
6
ゼミの先生が参考にって貸してくれた本を斜め読み。スケープゴーティング研究の今までの研究がまとめてある。「不謹慎ブーム」をスケープゴーティングの一種としてについて注目してるのが面白い!ただどう推移していくのかの過程の研究でしかなくてなぜその現象が起こるのかは分からないのね。経済活動を自粛したところで被災地の人にはなにも届かないのに、それを被災地とは直接関係ない人が他の人に強いてる現象不思議。今の卒論のテーマで行き詰まった時用にこっちの仮説も考えとこう2016/11/30
elsa
3
途中からはざーっと流して読んだ。 あてこすりの話、震災時の不謹慎ブームの話が興味深かった。事故や事件に避難対象を求める人ほど、自尊感情が低く、仮想敵有能感(他人を見下して自分を高めようとする)が高いという指摘も。 本書のまとめでは、スケープゴーティング抑制のためにはマスメディアの信頼性向上のほかに、「受け手側が自分のバイアスを認知すること」を挙げている。 2019/09/24
田中峰和
2
スケープゴーティングとは、大きな事故・災害があったときに、特定の個人・組織、システム、国・政府、社会・文化が次々と槍玉に挙げられ、強い非難を受けること。過去の実証研究・事例からマスメディア報道の影響力を包括的に解明し、そのメカニズムを探る本書。因果関係の枠外にある対象に対する責任帰属や非難、さらにそのような認知や行為が共有化されていくプロセスも含まれる。本書ではスケープゴーティングの発生プロセスに関するモデルを構成し、さらにそれを促進するメスメディアの報道特性や時間経過による変遷プロセスについて述べる。2015/02/11
Go Extreme
1
「やり玉」現象 理不尽な非難 精神分析学的動機論 欲求不満攻撃理論 マスメディアの報道特性 単純明瞭なニュース表現 原因帰属のメカニズム 原因帰属バイアス 反実仮想 コントロール感の回復 道徳価値の維持 スティグマ化 風評被害 リスクの社会的増幅 言葉によるレッテル貼り 言語的ラベリングと記憶の歪み 非言語的な要素 状況的不謹慎 「不謹慎ブーム」 認知バイアス 批判的思考 感情伝染としての非難行動 利用可能性ヒューリスティック 確証バイアス 灰色の非難対象2025/05/14
Go Extreme
1
スケープゴーティング=「やり玉」現象 スケープゴーティングの心理─メカニズム 誰がスケープゴートになるか─原因・責任帰属のプロセス スティグマ化と非難・責任追及 言葉によるレッテル貼り 非難報道に見るスケープゴーティング:事故報道 感染症報道 東日本大震災報道 ブログの「不謹慎」記事の分析 帰属過程としてのスケープゴーティング─2つの事例分析から:JR脱線事故 口蹄疫蔓延 記憶バイアスとスケープゴーティング スケープゴーティング現象にいかに向き合うか 報道におけるスケープゴーティング現象をとらえる方法2021/04/07
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