内容説明
少子高齢化・個人化・グローバル化・「格差社会」のなかで、家族はどう変わったか。結婚、子育て、介護や働き方から現代社会がみえてくる。
目次
序 個人化する社会・相対化する家族―ライフコース・ジェンダー・シティズンシップの視角
1章 家族の新しい地平
2章 社会変動とライフコース
3章 「近代家族」のあゆみ
4章 結婚とパートナーシップ
5章 親子と世代―「つながり」のゆくえ
6章 新たな役割モデルの創造―役割とジェンダー
7章 福祉とシティズンシップ
8章 家族の社会学的研究―家族はどう取り組まれたか
著者等紹介
岩上真珠[イワカミマミ]
1949年広島県に生まれる。現在、聖心女子大学文学部教授。専門、家族社会学、ライフコース論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒデミン@もも
28
⑤県立図書館。岩上真珠さん、お若い方だと思ったら、かなり年上。「さまざまな人生」は、それぞれに「意味のある人生」 2017/07/13
Ryosuke Tanaka
1
基本的な人口統計や意識調査のデータを豊富に載せていて、かつ平易で読みやすかった。なんとなく「古い、男尊女卑的な家族」と意識されていたものが、生産単位としてのイエにおける直系システム、明治民法による戸主権の強化、産業構造転換にともなう核家族化と性別役割分業の浸透、という重層的な歴史を持っているというのが学びだった。「個人化」のトレンドを価値中立的な「現象」として慎重に書いているが、それは憲法に謳われる人権の理念の必然的帰結という側面も大きいので、もうすこし価値的にコミットしてもいいのではと思った。2022/08/11
のすけ
0
「家族」とはなにか、について考えたくなったことがきっかけで読み始めた本。少子化や高齢化が進むなか、ひとりひとりが豊かにいきるためにはどうしたらよいのか、という問題の糸口が見えた。日本は他先進国と比べて子育てや男女平等政策が遅れていると言われるが、はたして変わる日は来るのだろうか。2016/02/22
昌也
0
再読:2013年第3版2023/02/09
木村あきら
0
学問的には家族の変容も予想しうる(驚かない)20年前の本なのにすごいなと ①家族は夫と父をつくる制度だった、女性の幸せは妻、母になることであった。離婚は有責主義から破綻主義へ。制度は変わらずとも、恋愛結婚という近代結婚になった時点で制度設定時と大きく異なる。 ②個人主義化し、自己決定と責任をもつことに、シティズンシップの福祉と家族が同じ土俵で語られるように。 ③家族が政策になるには、男女平等、アンペイドワークの可視化を通し「家族は社会の未来に対し、重要であり経済の基盤である」という認識が生まれ政策となった2022/06/19