内容説明
一九四五年八月六日、広島で、零歳で被爆した大内吉典は、様々な病に悩み、苦しみながらも、平和運動や執筆活動に懸命に勤しむ日々を送っていた。しかし、肉体に刻まれた原爆放射線後障害は、無情にも吉典の生命をさらに脅かすのだった―。家族にも知人にも、彼は真実を語らずに生きてきた。しかし、その沈黙が破られる時が来た…。被爆者の苛酷な生を鮮烈に描く力作長編。
著者等紹介
篠垤潔[シノズカキヨシ]
1944年、広島で生まれ、本籍地山口県で育つ。広島原爆零歳被爆者。小学校二年生から広島在住。横浜国立大学学芸学部入学後、在学中、大学制度改悪阻止の学園闘争に参加し、中退。その後、資本論研究会、原水爆禁止運動、文学運動などに参加。日本民主主義文学会会員。『原爆と文学』『ひろしま』編集者。峠三吉記念事業委員会世話人、「広島の証言の会」世話人などを歴任。「非核の政府を求める広島の会」世話人。「長崎の証言の会」会員。四十六歳から原爆放射線後障害でベッド安静の闘病専一の日々に入る。障害年金と被爆者介護手当で、ホームヘルパーの介護により一人で暮らす。家族は息子二人。現在、広島原爆特別養護ホームに入園
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