内容説明
グローバル化の時代になにが求められるか?76におよぶ国と地域での価値観調査を鮮やかに分析し、多様な考え方、感じ方、行動の仕方がぶつかり合う、現在のグローバル化社会に迫る世界的ベストセラーの翻訳。
目次
第1部 文化という概念(社会というゲームの規則;文化の違いを研究する)
第2部 国民文化の次元(平等?不平等?;私・われわれ・やつら;男性・女性・人間;違うということは、危険なことである;昨日、今、これから?;明るい?暗い?)
第3部 組織文化(ピラミッド・機械・市場・家族―国境を越える組織;象とコウノトリ―組織文化)
第4部 共生への道(異文化との出会い;文化の進化)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんちゃん
16
国民性、民族性、企業組織文化などに関する研究例を紹介した書籍だ。調査結果の統計的意味の解説も丁寧で、非常にわかりやすい。人類学や心理学的研究データに基づいて組織論の観点から多角的な分析を試みている。 文化の男性らしさ-女性らしさの次元、集団-個人主義の次元、長期-短期志向性、幸福感に関する放縦-抑制の次元、不確実性の回避の強さなどがその代表例だ。昨今の日本男性の草食化や日本女性の肉食化の理由も示唆されるようで面白い。2015/07/27
numainu
1
評価B2018/12/02
添川
1
人生ベスト読書体験かも知れない。非常に読みやすく訳していただいた訳者の方々に感謝しかない。自分の所属している組織の文化がいかに狭いかをこれでもかも具体例を挙げて説明してくれる。その意味で、「人はなぜ読書するのか?」という問いに対して、ここまで具体的に答えた本はないと思う。ニュースなどでよく海外の施策が紹介され、それに対してtwitterやNewsPicksでさかんに議論されているが、本書の知識をまず前提にしないと一歩も前に進めないと痛感。調査対象の国が幅広いのも素晴らしい。2016/09/12
わきが
0
世界各国におけるIBM社員の価値観調査の分析は「文化」という曖昧な概念を鋭く浮き彫りにしていて,ボリューミーで面白い.統計的な分析だけでなく,各国のエピソード紹介も興味深かった.先進国による開発援助がなぜうまくいかないかの一因がわかる一冊.他業種でこの価値観調査をしたらどうなるのか,調査対象の年齢で価値観はどう変化しているのか気になった.2022/03/31
Neuroticism
0
文化論。総論は読んだが、文化の各次元を解説した各論は読んでいない。2022/08/30