内容説明
ジェンダーに関わる社会現象を分析するために社会理論はいかに有効か。研究の最前線を担う執筆陣が明らかにする。
目次
第1部 ジェンダーから見た社会理論(ジェンダーと進化生物学;ジェンダーと構築主義―何の構築主義か;ジェンダーと合理的選択;ジェンダーとアイデンティティ―ゴッフマンからバトラーへ ほか)
第2部 ジェンダーから見た現代社会(セクシュアリティと身体性;文化と日常性;ケア・労働・家族;ナショナリズムとグローバリゼーション)
著者等紹介
江原由美子[エハラユミコ]
首都大学東京大学院人文科学研究科教授
山崎敬一[ヤマザキケイイチ]
埼玉大学教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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魔魔男爵
3
最新社会理論に絡めたジェンダー論を編者が依頼した20名に書かせたもの。ポパーが批判した社会科学理論は、構築主義(ポスト構造主義)等で、自然科学のイージータイプでしかなかった社会科学を乗り越え、社会科学理論を越える社会理論として結実しつつあるみたいである。本質主義や二項対立を否定し、主体も客体も解体する二重思考に知的興奮せよ!ジェンダー問題に興味がなくても、最新の社会理論を学べる良書。古いマックス・ウェーバーの、である(事実)と、べき(価値)は別次元論も出てくるが、男であるから男らしくあるべきという言説が、2017/06/13
kenitirokikuti
2
フェミ系の用語、「まなざされる」ての、ゴッフマン(この方面での代表著作は『ジェンダー・アドバタイズメント』(1976)→上野『セクシィ・ギャル』)の相互行為論から来てるのな。人々が日常生活で他者のまなざしを意識し、自己の印象を管理・操作する▲フロイトのいう「性」の領域は、ラカンだと「イマジナリー」と言われる。フェミはフロイトおよびラカンの影響が強い。2017/03/26
SHOSHO
0
社会学を中心とした「社会理論」と現代社会に「ジェンダー」の眼差しで、その偏狭性を問い直す学術書である。「ジェンダー」を分析・批判概念として既存の社会理論や社会現象に照射して、我々が今まで「普遍」であると考えてられてきたことが、いかに男性中心の眼差しで歴史的に、社会的に構築されてきたものであること焙り出す。ジェンダー概念によって社会現象を批判、脱構築化する見方の他に、ジェンダーフリー化されていない「もうひとつの社会」を描き出したものと言っても差し支えないであろう。2016/10/07
mameta
0
難しく、途中で挫折orz2011/11/24