パクス・ブリタニカのイギリス外交―パーマストンと会議外交の時代

パクス・ブリタニカのイギリス外交―パーマストンと会議外交の時代

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  • サイズ A5変判/ページ数 297,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784641173224
  • NDC分類 319.33
  • Cコード C3031

内容説明

フランス七月革命後のヨーロッパ国際政治に、会議外交を通じて平和の時代を構築したパーマストン英外相。彼が築き上げた会議外交とは、どのようなものであったのか。それは、どのような背景から生まれ、どのようにして定着していったのか。外交とは何か、平和とは何か。「砲艦外交」として知られる強硬姿勢の半面でパーマストンは、「イギリスには永遠の同盟国もなければ、永遠の敵対国もない」と語りつつ、会議を通じ列強とねばり強く外交交渉を重ねていた。イギリス流自由主義と道徳主義の伝統に裏打ちされた、パーマストン外交の特質を明らかにする。

目次

序章 会議外交の始まりとパーマストンの登場
第1章 会議外交の形成―ベルギー独立問題とロンドン会議
第2章 会議外交の絶頂期―東方問題とパーマストンの勝利
第3章 革命の嵐と会議外交の復活―一八四八年革命とデンマーク問題
第4章 クリミア戦争と会議外交の変容
第5章 会議外交の終焉とパーマストンの死
終章 パーマストン外交とは何だったのか

著者等紹介

君塚直隆[キミズカナオタカ]
1967年、東京都に生まれる。1990年、立教大学文学部史学科卒業。1993‐94年、英国オクスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。1997年、上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。神奈川県立外語短期大学助教授(イギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史専攻)、博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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南北

40
「砲艦外交」やアヘン戦争当時のイギリス外相として知られているパーマストンが大国首脳の会議(Congress)ではなく外交官などの全権大使が行う会議(Coference)外交によってヨーロッパの秩序を守っていこうとした姿を描いています。各国の外交官との駆け引きだけでなく、ときにはヴィクトリア女王に無断で物事を進めていくため、女王の反発を招く様子も印象に残りました。パーマストンはアイルランド貴族ながら貴族院ではなく下院議員として活躍するところなどは歴史を積み重ねてきたイギリスらしい特色だと思いました。2020/02/07

ソーシャ

2
パーマストン外交に焦点を当てて、ベルギー独立問題からシュレスヴィヒ・ホルシュタイン問題までの英国の外交史を詳述した研究書。この時代の外交の特質である会議(Conference)外交という視点から、国際問題をめぐる各国の思惑や外交官の動きが細かく描かれています。保守主義と自由主義が対立していた時代にパーマストンは利害交渉をいかに行っていたか、そして、その体制はどのように変容していったのかについて解説されているので、ヨーロッパ外交史に興味がある人にお薦めです。2017/03/08

さいごの砦

1
大英帝国絶頂の19世紀の外交をパーマストンを主人公にかなり細かく書かれたもの。難解なところもあるが、単なる事実の羅列ではなくパーマストン政治家として外交にかける情熱、その他メッテルニヒ、ビスマルクなどの歴史上有名な他国指導者との駆け引きなど物語のように楽しめるところもあった。2016/06/01

三日瀬

1
単語として良く聞く砲艦外交のせいかパーマストン外交期に強硬姿勢のパワーゲーム的な舵取りをしている印象を受けるものの、実際には海軍力の限界を見極めた上での交渉外交が主流だったり、ベルギー独立の筋道とかも。2011/06/12

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