内容説明
「顧客志向」を標榜しながら、なぜ売り逃すのか。マーケティングの空転に直面する企業は後を絶たない。これは単なる不注意ではなく、理論的な構えの問題である。本書は「状況」の成り立ちに注目することで、顧客志向と顧客決定論の違いを指摘し、経験至上主義と法則至上主義の見直しを鋭く迫る。今後、顧客志向の実践において、いかなるアプローチが必要となるかを深く考察した渾身作。
目次
状況の思考としてのマーケティング・コンセプト
第1部 起ち上がる秩序(マーケティングの生成を振り返る;事業システムの競争プロセス―家庭用テレビゲーム産業に見る逆転劇)
第2部 戦略の感度(顧客志向の標的;プロットで読み解くマーケティング)
第3部 制御の迷宮(競争行動の罠;デザインの罠;マーケティング・リサーチの罠)
著者等紹介
栗木契[クリキケイ]
1991年、神戸大学経営学部卒業。1997年、神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。岡山大学経済学部助教授等を経て、神戸大学大学院経営学研究科教授、博士(商学)(神戸大学)。専攻、マーケティング論、ブランド・マネジメント、インターネット・マーケティング(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Salmiakki
2
マーケティングの由来: 18世紀アメリカ。フォードが大量生産を始めてから、一つのものでも違うカラーのものが欲しいという消費者行動を汲み取ってGMが始めたのがきっかけ。それから、マーケティングは消費者のニーズの複雑化によって、マーケティングコンセプトの重要性が解かれた。マーケティングコンセプトは、顧客志向ってこと。マーケティングってなんなのかというと、目に見えないモノを、洞察・予測・分析して、設計していくこと。マーケティングデザインともいう。2014/12/02
げん
0
専門用語に苦しみながらも、最後まで読み切った。歴史とは反復であり、かつ変化であるという点を見逃してきたこれまでのマーケティング論の限界を考察し、顧客志向の目指すべき姿について論じている。企業と顧客の相互作用により、状況は変化していく。そのプロットを意識しながら顧客に寄り添っていく。先日読んだドラッカーの技術のモニタリングに通じているように感じた。任天堂やソニーの事例とともに、ホームプロの事例が紹介されていたのも興味深かった。2012/08/08
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