内容説明
過疎・高齢化などに苦しむ地域もマーケティングの考え方を踏まえて“経営”すれば活力を取り戻せる!優れた事例の分析から見えてきた、その秘訣とは?人任せでなく、地域を何とかしたいと願う人へヒントとエールを贈ります。
目次
地域活性化のマーケティング
第1部 新市場の創造(B‐1グランプリ―「食」を梃子にした地域活性化;いろどり―過疎地発の葉っぱビジネス)
第2部 交流の場づくり(まいど1号―社会関係資本再生のマーケティング;サイバーシルクロード八王子―人々をつなぐITプラットフォーム;日本創生ビレッジ―異業種交流によるビジネスの創出)
第3部 外部資源の取り込み(大地の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭―現代アートが媒介する地域づくり;直島―外部資源による地域活性化のベスト・プラクティス)
きらめく地域ブランドを創ろう
著者等紹介
古川一郎[フルカワイチロウ]
1956年、東京生まれ。1979年、東京大学経済学部卒業。東京銀行勤務を経て、1988年、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東北大学、大阪大学を経て、一橋大学大学院商学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
2
「地域経営においても、イノベーションとマーケティングが地域活性化の両輪にならなくてはならない」(ⅳ~ⅴページ)。上勝町の葉っぱビジネス(第2章いろどり)。これは高齢者ならではのビジネスで、しかも地域資源を活かした販路拡大で成功したケース。標高差を活かした、時間差の栽培で維持可能な販売期間の長期化にも成功(79ページ)。他の地域ではできない条件を逆手にとって個性を活かした地域づくりの好例。海外からの視察もあるほどだ(86ページ)。所得向上と後継者が課題というが、既に有名となったのは大きい。集落経営の妙技か。2012/12/19
Tsutomu Yamamura
1
マーケティング、商学系の大学の先生が書いた地域おこし、まちづくり的な本です。有斐閣ということで、格調高いですが、内容的には事例紹介が中心です。紹介されている事例の中に「ヒントや示唆、学ぶべき点があるはず」なのは確かでしょうが、なかなか実践につなげるのは難しいと感じます。「地域全体として地域外の需要を取り込み高収益を上げることを考えなければならない。地域でより付加価値の高いモノを生み出し、それを地域外に販売し続けることができなければ、地域の長期的な衰退トレンドを挽回することはできない。」との問題認識に納得。2013/04/30
苦虫
0
どのへんが、マーケティング要素なのかわからなかったが、いわゆる町おこしの事例。新潟アートフェスの地元住民との対立に若者が入ることで成功に導いた事例はふ~んって思った。埼玉も丸の内も大阪の町工場も、他者とつながることで強くなることってあるんだなーと思った。特に面白いことはなかった。2013/07/31
Yuichi Masui
0
日本マーケティング大賞にエントリーされた事例が取り上げられたマーケティング視点の地域活性化に関する本です。企業におけるそれとの違いが意識されながら、いくつかの成功事例が分析されています。自らの取り組みをある程度体系化された中に位置づけることができたことは非常に勉強になりました。また、今後のやり方についても示唆深い内容となっています。ただ、まだ事例の数も少なく、まちづくりに関わる人たちの期待に応える内容になるまでには更なる研究が必要なようです。ただ、とても勉強になります。おススメです。2012/09/11