内容説明
創造的で活気に満ちた職場を維持し企業内革新を起こし続けるための条件とは?職場を越えた連繋が、技術の相互作用を導き、独自の競争力を生む―イノヴェーションのプロセスを、生産現場に分け入って描き出す。
目次
序章 グローバル経済下の産業競争力を考える
第1章 製品技術・生産技術・製造技術の相互作用―トヨタ技術者のオーラル・ヒストリーからの考察
第2章 自動車部品二次サプライヤーにおける技術革新―昭芝製作所の競争力の源泉
第3章 産業機械産業における「探求」を促す人材組織戦略―粉体機器業界の製品開発
第4章 鉄鋼製品開発を支える組織と人材―JFEスチールの自動車用ハイテン鋼板
第5章 化学産業における技術革新と競争力―三井化学、プライムポリマーによる汎用樹脂事業
第6章 情報通信産業における研究開発と事業創造―NTTの総合プロデュース活動
第7章 ソフトウェア産業における経営スタイルの革新―カスタム・システム開発を支える人事システム
終章 現代に生きる歴史
著者等紹介
尾高煌之助[オダカコウノスケ]
経済産業研究所編纂主幹、一橋大学経済研究所非常勤研究員、一橋大学名誉教授、法政大学名誉教授
松島茂[マツシマシゲル]
東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Seiichi Takayama
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ものづくりの会社の技術を、製品技術・生産技術・製造技術とにわけて、それぞれの相互作用をうまく働かせたことが、ジャパン・アズ・ナンバーワンの源泉であった、という論点。終わりの方の章にソフトウェア技術についても書かれていたが、要は組織の壁とか技術の壁とか作ってないで、一緒に働く仕組みを作ることが必要、ということか。⚫︎イノヴェーションは異質な者が集まるところで生まれると聞いたことがある。異質というのは、異常な才能ということではなく、異なる分野の専門家、という事なのだろう。しかし、異分野の人間がただ集まっただけ2015/03/15
Daisuke Nakai
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論文なので大学での講義でもないとなかなか手に取らない類の本かもしれません。情報の流れを促すコミュニケーション、それも組織の内外問わずというのが肝だと思います。ちなみに、個人的には講義では扱わなかったNTTの事例が興味深かったです。2011/11/11