内容説明
本書は、イギリス機械産業において「クラフト的規制」がいかに形成され、それがいかなる条件のもとで維持されてきたのかを明らかにしている。クラフト的規制の根幹をなす入職規制がなぜ行われるようになったか、労働力調達が規制された状況で展開する独特の労使関係が個別企業の自由をどのように制約する構造を生み出したかを明らかにした。
目次
問題の所在
第1部 入職の制度化―機械産業における徒弟制度の形成(19世紀前半諸組合の入職=加入資格;機械産業従事者の徒弟経験率;使用者の徒弟制度への両義性;能力・養成・現場権限)
第2部 団体的労使関係におけるクラフト的規制(入職規制から「職業保護」へ;「職業保護」と「経営権」;使用者団体とクラフト的規制)
著者等紹介
小野塚知二[オノズカトモジ]
1957年横浜に生まれる。1981年東京大学経済学部卒業。1987年東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得退学。1987-90年東京大学社会科学研究所助手。1990-96年横浜市立大学商学部専任講師・助教授。1996年より東京大学大学院経済学研究科・経済学部助教授。主な業績に『概観:外国人労働者問題―日本の現状と海外の経験』第9回よこはま21世紀フォーラム実行委員会、1992年。「イギリス民間造船企業にとっての日本海軍」『横浜市立大学論叢』社会科学系列第46巻第2・3合併号、1998年。「生協における管理と民主主義」協同組合総合研究所『研究報告書』第21集、1998年
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。