出版社内容情報
政治的関心が高く,政治的知識も豊富な「積極的無党派層」の存在が,時に選挙結果を左右しうる存在として,重要な研究対象となってきた。本書は,日本の無党派層を多角的に実証分析し,国際比較を通じて,民主主義における無党派層の役割を明らかにする。
【目次】
序 章 なぜ無党派層か(遠藤晶久・三村憲弘・山﨑新)
第1部 無党派層をどう見てきたか
第1章 マスメディアにおける無党派層報道の変遷と特徴(細貝亮)/第2章 「政党支持なし」層の意識構造──政党支持概念再検討の試論(田中愛治)/第3章 1990年代における政党対立次元の変容(ハーバート・F・ワイズバーグ 田中愛治〔遠藤晶久訳〕)/第4章 2000年代以降における有権者の政党対立空間──積極的無党派層の行方(三村憲弘・山崎新)
第2部 無党派層の特徴
第5章 無党派層への社会的アイデンティティ──積極性を生む政治的メカニズム(三村憲弘)/第6章 無党派層の政策関心・政治知識・メディア接触(山﨑新)/第7章 政治参加にみる無党派層の変化(張替孔矢・荒井紀一郎)/第8章 無党派層の投票行動(遠藤晶久・劉凌)/第9章 無党派層とソーシャル・ネットワーク環境(加藤言人)/第10章 選挙制度の不均一性と無党派層──投票判断基準の分析(小川寛貴)
第3部 無党派層の国際比較
第11章 党派的分極化時代のアメリカにおける積極的無党派層(飯田健)/第12章 ヨーロッパにおける無党派層──党派性の役割と政党システムの条件付け効果(日野愛郎・貫井光)/第13章 アジアにおける無党派層(ウィリー・ジョウ〔遠藤晶久訳〕)
無党派層を問い続けて(田中愛治)