出版社内容情報
御厨 貴[ミクリヤ タカシ]
著・文・その他
牧原 出[マキハラ イヅル]
著・文・その他
内容説明
明治、大正、昭和、平成、そして令和。近代一五〇年の日本政治の歩みをたどる通史。政治家、官僚、経営者、作家といったさまざまな人々の視点を取り込み、北は北海道から南は沖縄まで、歴史の現場にも足を運びながら、日本政治の変動をダイナミックに描く。微細な政治過程を描写しながらも、構造的変動に「つながる」側面への指摘も忘れず、この国の政治外交の大変動・中変動・小変動を、各時期に即して明快に考察する。この先の未来を展望するために、今こそ歴史を繙いてみよう。
目次
日本政治と政治史学
戊辰戦争と西南戦争
日清戦争と立憲政友会の成立
日露戦争と大正政変
第一次世界大戦と政党政治
十五年戦争の時代
占領と復興
日米安全保障条約の改定
高度経済成長の政治
佐藤栄作内閣と沖縄返還
列島改造と保革伯仲の時代
地方の時代と東京一極集中
政治改革と細川護煕内閣
小泉純一郎内閣と自民党政権の崩壊
第一の政権交代と民主党政権
第二の政権交代と第二の安倍晋三政権
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
14
副題の通り、明治以降の政治史について時代ごとに「通史」と「対話」が繰り返される構成であるが、「対話」パートがただ二人が別々に講義をしているような様子で、対話だからこそ深まる議論はあまりなかった。現代に近づいてくるにつれてオーラルヒストリーの要素が増えるので、そこは面白かった。2022/07/18
バルジ
5
放送大学のテキストに御厨・牧原両先生の対談(放送大学番組内のやり取り)を加筆した政局メインの通史。通史編は明治維新から第2次安倍内閣までをかなり駆け足で概観。森喜朗内閣に至ってはわずか5行程度である。個人的には通史編より対話編が面白い。特に戦後政治になるとオーラルヒストリーの成果を盛り込んだ御厨先生お馴染みの講談政治学が爆発、戦後日本の宰相におけるリーダーシップを軽妙な語り口で論ずる。2021/11/07
グリーン0607
2
明治から令和までのそれぞれの政治史が、指導者層の日記や書簡を元に分析・解説されています。「講義」とありますが、各時代の政治家の思いや意図の説明はドラマのようで、小説のように楽しく読めました。歴史に名を残した偉人も、1人の人間だったんだなぁと感じます。
takao
1
ふむ2025/03/28
伊達者
1
放送大学のテキストに講義の内容を対談で加えて再構成した本のようだ。対談部分を中心に読んだ。明治から現代までの政治史を一通り俯瞰できる。最終章の安倍政権に対する高い評価は政権の便利学者になった御厨らしいところ。この時点では保守イデオロギー勢力をうまく利用していると評価するが,私などは安倍は保守イデオロギーの代弁者で代理人という印象しか持っていない。今回の銃撃事件を通じて安倍・岸等による政治が保守イデオロギー層とその背後の闇とどれほどのつながりがあるかを改めて分かってきた。2022/08/13
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- 和書
- 万葉ポピュリズムを斬る