内容説明
刑法解釈論についての理解を、判例・裁判例の詳細な検討を通じて、さらに深化させる。どこに真に検討を要する問題があるのか。どのように考えたらよいのか。読者の刑法の「運用能力」を高めるよう導く、待望の最新版。
目次
被害者の行為の介在と因果関係
被害者の行為を利用した法益侵害
不作為による殺人罪
正当防衛の周辺
過失犯の成立要件
実行の着手と既遂
共犯の因果性と共犯関係の解消
承継的共犯
罪数論
傷害の意義〔ほか〕
著者等紹介
山口厚[ヤマグチアツシ]
1953年生まれ。1976年東京大学法学部卒業。現在、早稲田大学大学院法務研究科教授。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
9
多分いい本だと思うけど、自分の今の実力ではスラスラと読みこなすことはできず、スラスラ読める本を欲していたので結果的にはやや期待外れだった。まあ山口先生にわかりやすい文章を求めること自体がおかしな話で、それを求めるなら岩波新書の刑法入門あたりを読み返すべきだった。反省。他にもいろいろと刑法の教科書類を書店で見てみましたが、ここ数年で随分と充実したような。体系書/基本書に限っても随分とフレンドリーで質の高いものが出ていますね。2017/07/18
けふたろ
1
理解が不十分になりがちだが抑えておきたい新判例について、刑法学の第一人者といえる山口先生が解説・論考を加えている。新判例に対する理論的な位置づけを掴むことが出来るので、自分でこれらの判例を使う際の参考になる。また、解説者が同じであるので、その理論がバラバラになる心配がなく、その点もありがたい。 各論の場合、新しい判例は新しいタイプの事件であることもあり、このようなものに対応するためにはやはり本書のようなもので考え方を習得しておきたいと思った。2015/04/09