内容説明
一九七九年から始まった改革・開放政策以来、中国では、集権的計画経済から社会主義市場経済への構造転換が急速に進展している。法体制も計画経済に相応した法律体系から社会主義市場経済の法律体系へと再構築が進んでいる。本書はこのような経済体制の移行期における中国契約法の変遷を、契約自由の原則を中心に原理論または個々の解釈論で解明し、分析したものである。
目次
序章 研究の課題と方法
第1章 計画的商品経済における契約(集権的計画経済体制と経済契約法;民法と経済法との関係から見た経済契約 ほか)
第2章 行政法規に違反した契約の民法上の効力(日本における戦前及び戦中の学説・判例;日本における戦後の学説・判例 ほか)
第3章 日中契約責任法における損害賠償の予定と違約罰(日本法における損害賠償の予定と違約金;中国法における違約金制度の形成と展開 ほか)
第4章 中国契約法における契約自由原則の再生(経済体制と契約法;計画原則から契約自由の原則へ)
第5章 社会主義市場経済における契約―中国における法典編纂(契約法典建議草案の制定過程及び立法案;契約法典建議草案の概要とその問題点)