内容説明
公職者や公職候補者、政治や社会に影響を与えうる公的人物など公人に対しては、国民には最大限の批判の自由が保障されなければならず、当然そこには公人に対する激しい、行きすぎだと思われるような辛らつな批判の自由が含まれる。それを名誉毀損として処罰し、損害賠償などの民事上の制裁を加えて抑止することは、民主政の本質そのものの否定である。本書では、このような著者の主張を集大成した。
目次
日本の名誉毀損法の枠組み
アメリカにおける憲法的名誉毀損法の展開(伝統的名誉毀損法;New York Times v.Sullivan;New York Times判決以降;憲法的名誉毀損法の現在;憲法的名誉毀損法と学説)
アメリカにおける憲法的名誉毀損法の再検討
名誉毀損と表現の自由を考え直す
名誉毀損と差止め
変容する名誉毀損法と表現の自由
意見による名誉毀損と表現の自由
インターネット上の名誉毀損と表現の自由
公的参加を妨げるための戦略的訴訟(SLAPP)と表現の自由
著者等紹介
松井茂記[マツイシゲノリ]
1955年愛知県に生まれる。1978年京都大学法学部卒業後、同大学大学院修士課程を経て、1980年京都大学法学部助手、1983年大阪大学法学部助教授、1994年同教授。2006年より現職。現在、ブリティッシュ・コロンビア大学教授、大阪大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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