内容説明
概念や理論のありきたりな説明ではなく、自分が身近に感じたこと、興味・関心をもったことから始める「面白い」入門書。かみ砕いた解説とともに、豊富な図表・イラスト・コラムを盛り込んだ。二色刷。
目次
心理学のテーマは無限―心理学って何だ?
第1部 身近に感じる心理学(悩みを抱える人を助ける―臨床心理学;性格は変えられるか―性格と個人差の心理学)
第2部 心理学で日常生活を読み解く(身近な人や社会との関係―社会的行動の心理学;人が生まれてから死ぬまで―発達心理学;心を測る―心理学的アセスメント)
第3部 心理学のコアな原理(世界をどうとらえるか―知覚・認知・記憶の心理学;あなたはなぜそのように行動するのか―行動と学習の心理学)
第4部 心理学の過去と未来(心はどう探究されてきたか―心理学の歴史;心理学はこれからどうなるか―心理学の未来)
著者等紹介
サトウタツヤ[サトウタツヤ]
佐藤達哉。1962年生まれ。現在、立命館大学文学部教授。博士(文学)
渡邊芳之[ワタナベヨシユキ]
1962年生まれ。現在、帯広畜産大学人間科学研究部門教授。博士(心理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
19
恋愛、仕事、人間関係、性格と普通の人が心理学に期待するのはそうした具体的で日常的な心に関する知見だが、それを期待して心理学の授業を受けるとそうした分野は基本的に後回しである。本書はそこで逆に、そうした日常的な疑問から始めることでだんだん学問としての心理学の基礎に迫っていく、という形で退屈さを回避しながら、入門書としての良心性と好奇心の両方を見事に満たしてくれる。身近な性格やカウンセリングの心理学から始まって認知心理学や心理学史まで、本書を読めば一通りの基礎知識が身につく。シンプルな発想だが見事はまっている2016/12/21
スミノフ
12
身近な事例から取っつきやすく心理学を紹介するパートを。前半に置く構成が秀逸。この手の教科書は、歴史や理論解説を読むうちに眠くなるのが私の中でのオチだったので、飽きのこない構成でした。入門書としてお勧めです。2020/07/24
はら
12
心理学についての基本的な知識と歴史をおおまかに述べられている。平易な文章で語られているので読みやすかった。印象的だったのは、心理学では研究の中心を人間の「変わらないもの」に置くか、「変わらないもの」に置くかで大きな論争があり、けして一枚岩ではなかったということ。始まりとしてはギリシャまで遡れるかもしれないが、学問として認められた発展し始めたのは19世紀に入ってからで、割と最近にできた学問だというのは意外だった。今日では脳科学が大きく発展し、心理学でも脳科学的なアプローチが試みられている。→(コメントへ) 2018/07/25
anco
10
心理学の入門書。身近な例が豊富に用いられていました。巻末にブックガイドが掲載されており参考になりました。2016/04/19
りくお
7
本格的に学ぶわけではないが、どういう学問かを知るために読んだ。発達心理学、臨床心理学、行動心理学etc.......ひとえに心理学といってもその内訳は10個くらいあり、本格的に学ぼうと思ったら大変そう。普通の科学と違って心という“見えない”ものを学問にするわけだから、その歴史は一般科学との軋轢の歴史だったという話が、心理学という学問の特殊さを表している。2020/01/27