内容説明
近代から現代にかけての、ヨーロッパの国際関係を描いたコンパクトな通史。9.11テロ以後の動きについて、新たな章を設け、新版化した。イラク戦争、EU・NATOの拡大など、今なお変化し続けるヨーロッパの現実を理解するのに最適。
目次
序章 ヨーロッパ国際関係史の視点
第1章 ヨーロッパの繁栄と凋落―国際関係の論理と構造
第2章 分断された平和
第3章 ヨーロッパの復興と自立
第4章 多極化する世界の中のヨーロッパ
第5章 「新冷戦」から冷戦終焉へ―ヨーロッパの復権をめざして
第6章 ポスト冷戦のヨーロッパ新秩序
終章 9.11以後のヨーロッパの国際関係
著者等紹介
渡邊啓貴[ワタナベヒロタカ]
1954年、福岡県に生まれる。1978年、東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。1980年、東京外国語大学大学院地域研究科修士課程修了。1983年、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。1986年、パリ第一大学大学院国際関係史研究科博士課程修了(DEA)。(財)世界経済調査会研究員、京都外国語大学助教授、パリ高等研究大学院客員教授、ジョージ・ワシントン大学シグール研究センター客員研究員などを経て、東京外国語大学教授(在仏日本大使館公使広報・文化担当)。著作に、『ミッテラン時代のフランス』(芦書房、1991年、第9回渋沢・クローデル賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中島直人
4
大学の教科書。戦後の欧州政治史を一連の流れとして、分かり易く説明してくれている。スムーズに頭に入ってきてくれて良い。是非、欧州連合が直面している、リーマンショックやギリシア危機といった金融面での課題についても見解を聞いてみたい。2013/12/08
鮭
3
欧州の栄光と没落が世界との関連でよくわかる一冊。特に三十年戦争以降のイギリスの外交におけるパワーは特筆すべきもので、20世紀前半までの欧州を形作った均衡状態はイギリスの動向如何にかかる部分がかなりあった。ww2後にスエズ危機を契機としてイギリスが没落し、そこからヨーロッパの統合が顕著に始まるのも印象深い。欧州統合はとても順調に進んでいたとそれまで私は感じていたが、統合の世紀である20世紀になっても大国の論理が近代のように跋扈していたことに大変驚いた。平和な日本にいると世界に眼を醒まさせられる一冊である。2013/09/17
ワッキー提督
1
17世紀~19世紀中盤を勉強したくて読了。しかし第二次大戦直後や、冷戦期の中東欧史の方が勉強になった。2016/08/19
sidus
0
「英米と対等な地位を得るために、フランスは「ヨーロッパ」という枠組みを用いる必要があった。フランスは、ヨーロッパという土台の上に立って初めて、世界政治における自らの影響力を確立することができるのである。」 p1542008/07/31
Krupp
0
非常に内容の濃い本だった。それもそのはずで、30年戦争から、0年代終盤までの欧州における国際政治の流れと解説を1冊にまとめているのだから。ただ、当然ながら20-21世紀に割かれるウエイトは大きく、本書の半分以上がそれに当たる。 本書は、第二次世界大戦後の日本の対外政策について、イギリスが何故EUに対して懐疑的なのか、欧州連合の辿ってきた道のりや、フランスの米ソ間における立ち回り…などなど、現代人が政治を考えるときに直面するであろう疑問へのヒントを提供するだろう。 個人的には、東欧が崩壊した理由が2019/06/04
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