内容説明
行政法の基本をやさしく解説し、制度の現実の機能を斬新な視角から描き出した入門書。旧版刊行後の行政法理論および判例の動向を織り込むとともに、記述の全体的な見直しを行った。
目次
行政法とは何か
行政は誰が行うか
どんな行政が行われているか
行政はどのようにして行われるか
行政の実効性を確保するためにどのようなことが行われているか
行政過程と個人
行政活動によって受けた損失はどんな場合に償われるか
違法または不当な行政を争う途(1)
違法または不当な行政を争う途(2)―行政事件訴訟
著者等紹介
今村成和[イマムラシゲカズ]
1913年生。1937年東京大学法学部卒業。元日本学士院会員、北海道大学名誉教授、北海学園大学名誉教授、1996年逝去
畠山武道[ハタケヤマタケミチ]
1944年生。1967年北海道大学法学部卒業。現在、早稲田大学大学院法務研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつ
38
名著ですね。レベルが高くてついていけない部分もありましたが、行政法の基礎的な問題点を知るにはよい本です。2017/11/12
tieckP(ティークP)
3
初版は1966年。「入門」と付いているが、行審法改正にも対応していないから初心者が手にとっても益はない。本書の価値は逆にこの古さにあって、現代の行政法の考えでは、戦前の公権力へのアレルギーから戦後に私法と公法を分けてはいけないという考えが圧力を奮ったが、現実的にはこの両者は異なるものだから優位を与えないかたちで区別すべきとされる。まさに本書がこの分離を糾弾した時代の本である。だから、法学史を感じるためには良い本。著者の価値判断が強く出ているが、本人なりの統一感もあるので対話するつもりで読めば刺激になる。2019/08/11
えむ
0
行政法のコンパクトな概説書。非常に落ち着いた筆致で行政法の骨格を描く。そういった意味でやや硬さを感じなくもないが、読みにくさはあまりないので、導入としても読めそうな1冊である。2018/10/14