内容説明
本書においてわれわれは集団の社会心理学的研究、とくにグループ・ダイナミックスの研究に基礎を置きながら、集団の動き、すなわち集団行動一般に関する原理的理解を進めると同時に、家族や友人集団、教育集団、産業組織体の中の職場集団、さらには宗教団体といった、人間社会の中でそれぞれ異なる機能を果たしつつある社会集団の特殊性についても、考える材料を提供しようと試みた。そして最後に、治療や教育や生産の場面で集団のもつどのような性質ないしダイナミックスがどのように応用されているかを理解するのに役立つ若干の事例を紹介することとした。
目次
序章 集団研究の歩み
第1編 集団行動の基礎(集団の形成;集団の構造と規範;集団の意志決定と業績;集団と個人;集団行動と社会・文化)
第2編 集団の生態(家族集団と友人関係;教育のための集団;生産のための集団;信念をともにする集団)
第3編 応用集団力学(技法としての集団力学;治療集団の技法と実際例;教育における応用集団力学;生産場面における集団の活用)