出版社内容情報
過去50年の研究の分析・検討結果をもとに発達心理学研究の今日的課題を考える。
内容説明
かつて日本の発達心理学研究においては、「発達」という複雑な問題に幅広い視点から迫るものは見られず、欧米の新しい研究の後を追う傾向が目立っていた。そうした中で、社会的・歴史的・個性的存在として子どもをとらえることを研究の中心にすえ、十分な理論や方法を身につける努力を重ねると同時に、現実の生活の中で子どもや大人に迫る試みを続けてきた著者たちが、自らの多年にわたる研究の分析・検討結果をもとに、発達心理学研究の今日的課題を考える。
目次
第1章 発達的発達心理学(このような形をとるメリットは?;発達と研究の歴史性;この本の構成と基本的アイディア)
第2章 20世紀中葉からの発達心理学―自己の体験を織り込みながら(1953年から2003年をどう区分するか;1953年~63年について ほか)
第3章 発達心理学研究50年の足跡―自己の歩みを振り返りつつ(学級内での児童の地位・学力と社会階層についての研究(1955年~59年)
児童の人格特徴と知能の関連についての研究(1961年~64年) ほか)
第4章 発達の非線形性と可変性(発達の非線形性と可変性;個人をベースとした発達の見方 ほか)
第5章 行動発達における生成と転移のメカニズムを求めて(方法模索の時代―グループ平均のドグマ;発達におけるパターンへの注目 ほか)
著者等紹介
三宅和夫[ミヤケカズオ]
1927年東京府に生まれる。1952年東京大学文学部卒業。1970年北海道大学教育学部教授。1990年川村学園女子大学教授。1992年放送大学教授。1996年北海道医療大学教授。北海道大学名誉教授
陳省仁[チンセイジン]
1946年台湾新竹県に生まれる。1968年台湾国立政治大学法学部卒業。1975年英国オックスフォード大学BLitt修了(社会人類学専攻)。1978年広島大学大学院教育学研究科修士課程修了(幼児心理学専攻)。1990年北海道大学教育学博士取得。北海道大学大学院教育学研究科教授、北海道大学大学院教育学研究科附属乳幼児発達臨床センター長
氏家達夫[ウジイエタツオ]
1952年北海道に生まれる。1976年北海道大学教育学部卒業。1983年北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得(発達心理学専攻)。1996年福島大学生涯学習教育研究センター教授。2001年名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。2003年北海道大学博士(教育学)取得。名古屋大学発達心理精神科学教育センター教授
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