内容説明
本書は、独歩論を中心として、藤村・花袋ほか明治三十年代文学をひろく展望した、きわめて清新な近代文学論である。
目次
国木田独歩論(「小民史」の行方・「社会」への眼差―独歩文学を貫くもの(1)
二人の「私」・もう一つの「小民史」―独歩文学を貫くもの(2)
「武蔵野」の周縁―藤村にふれて ほか)
明治三十年代文学論(「郊外」像の発見にそって;車窓の風景・「眼」の解放;「男三郎事件」の波紋といわゆる「癩文学」と ほか)
明治三十年代文学論―島崎藤村の場合(二重写しの「風景」・そして「実の世界」へ―「詩文集」という制度から;「千曲河畔の物語」―「野獣のような」ものから「生活者」へ;『破戒』とその周縁―「社会」・「宗教」・「教育」)