内容説明
昭和30年、「もはや“戦後”ではない」と経済白書に宣言されて以来、日本は急速な経済成長の時期に入った。この経済成長は、社会・家(庭・族)にも個体の心的状況にも劇甚な影響を及ぼしたが、わが文学もまたパラダイムを大きく転換していった。現代の文学は戦後の文学からどの井水を掬いどのように視線を変容させていったところを歩んでいるのか、過渡期の在り様を探る。
目次
序 日常と非日常のはざま
1 市民の目の成立
2 前衛と異端
3 変質する純文学
4 長篇小説の可能性
5 内部の深層へ
6 表現と状況
7 詩の前線