出版社内容情報
本阿弥光悦の書は、古筆の美を継承しつつ、桃山期の空気を吸って大胆に花開いた―
注目の書家・根本知が、和歌巻・書状・漢字作品の徹底比較から、光悦の〈平安朝スタイルを基盤とする独自性〉を精緻に検証。
特に「宗達下絵」との調和の実践、墨継や筆線の呼応など、両者のコラボレーションが生んだ革新的美の構造を鮮やかに描き出す。
光悦芸術の核心に迫り、日本美術史を貫く〈調和の思想〉の源流を解明した画期的論考。
【目次】
主な内容
第一章 光悦と時代
光悦の生涯/『本阿弥行状記』および『にぎはひ草』の成立と内容/芸術村、鷹ヶ峰について
第二章 交友関係の実態
大文字屋および、その周辺との交友/古田織部との交友/烏丸光広との交友/加賀藩主および重臣との交友/角倉素庵との交友
第三章 光悦流の淵源に関する一考察
先行研究の整理と問題点の所在/素眼流と光悦流/『菟玖波集巻十四』との比較/本阿弥と阿弥号
第四章 光悦筆和歌巻における筆法の考察
和歌巻考察における研究方法について/和歌巻における筆法の考察
第五章 漢字作品および書状との比較
漢字作品に見る筆線の特徴/光悦書状における書風変遷の実状/宛所・内容による書風の違いの有無/書状との比較―研究方法―/書状における筆法の考察/同時代の書状との比較
第六章 光悦筆和歌巻の和歌選定における一基準
研究目的/「べたづけの忌避」について/「葦手歌絵」について/「歌絵」と「書」の関係/工芸にみえる「歌絵」の表現/和歌の選定における一基準
第七章 光悦の書のスタイルにおける
古筆との類似性
先行研究の整理と問題点の所在/光悦の書における基本スタイル/日本書道史における下絵と散らし書き遺品について/「堺色紙」との類似性
第八章 下絵を考慮した光悦の書の独自性
光悦筆和歌巻の課題/宗達研究の整理―肉筆下絵和歌巻の変遷―/「四季草花下絵古今集和歌巻」と書/「鹿下絵新古今集和歌巻」と書/「蓮下絵百人一首和歌巻」と書/「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の再評価



