出版社内容情報
型から創造する日本文化
江戸時代初期に誕生した歌舞伎が庶民の娯楽として大衆文化の中心を担ったのは、歌舞伎の表現が常に最先端であったためであり、その創作の発想法「見立て」「やつし」「もどき」にこそ日本文化に伝わる秘密があった。
本当の日本が世界に伝わっていない。
日本文化の本質を積極的に海外に発信していかないと、いつまでたっても日本は理解されないままである。 (「あとがき」より)
内容説明
型から創造する日本文化。江戸時代初期に誕生した歌舞伎が庶民の娯楽として大衆文化の中心を担ったのは、歌舞伎の表現が常に最先端であったためであり、その創作の発想法「見立て」「やつし」「もどき」にこそ日本文化に伝わる秘密があった。
目次
第1章 転換して現実化(「見立て」;「やつし」;「もどき」―作者の方法 ほか)
第2章 二重の構造を読み解く―「神」から「人間」化への三段階(「見立て」―降臨した神の本質を人間界で表現する;「やつし」―人間界において神の本質を身分の差として表現する;「もどき」―人間界において神の本質を滑稽化、平易化する ほか)
第3章 型と創造の日本文化(現代にもみられる伝統的思考法;伝統は創造の源)
著者等紹介
田口章子[タグチアキコ]
京都芸術大学教授。博士(日本語日本文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KUMYAM@ミステリーとSF推し
4
ややお硬めで読みにくさはあるけど面白い視点で歌舞伎の「世界」についての理解が深まった。2024/09/03
お抹茶
2
歌舞伎独特の技法をキーワードと作品例を使って説明する。歌舞伎初級者向け。傾城は理想的で完璧な女性像。歌舞伎を流行の最先端である大衆的なエンターテインメントにしたのが「もどき」。降臨した神の本質を人間界で表現した「見立て」,人間界において神の本質を身分差として表現する「やつし」,人間界において神の本質を滑稽化・平易化する「もどき」が芸能化の三段階。芝居でやつした人物の落差が大きいほど効果を発揮するのも,「やつし」の本質が神と人間の身分差を表現するから。文楽と同じ作品でも,生身の人間ならではの独自性がある。2024/09/30
Go Extreme
2
転換して現実化 見立て: 女形の身体・役柄 やつし: 助六 平維盛 狐忠信 もどき―作者の方法: 仮名手本忠臣蔵~太平記の世界 もどき―役者の方法: 仮名手本忠臣蔵・五段目 二重の構造を読み解く 見立てー降臨した神の本質を人間界で表現: 女神の身体化 やつしー人間界において神の本質を身分差として表現: 神が人間にやつした記憶 もどきー人間界において神の本質を滑稽化・平易化: 脚本の原型は神祭りの進行予定表 世界をおもしろく俗化 型は神 型と創造の日本文化: 現代にもみられる伝統的思考法 伝統は創造の源2024/09/06
-
- 和書
- 名犬ラッシー 竹書房文庫