内容説明
山岳霊場は、日本の宗教のあり方を示す紀念物であり、日本人の精神を知るまたとない手がかりである。本書は、考古学の立場から、その実態に迫る研究である。日本の宗教を考える多くの読者に届けたい一書である。
目次
第1部 山岳霊場概観(山岳宗教の歴史;修験道の考古学;「霊場の考古学」の現状と課題)
第2部 山岳宗教の考古学(考古学からみた羽黒修験;日光男体山頂遺跡出土遺物の性格―新資料を中心として;草津白根山信仰の展開 ほか)
第3部 霊場の考古学(在地霊場論;立石寺の金工資料;中世都市と納骨霊場―神奈川県鎌倉市長谷寺を事例に ほか)
著者等紹介
時枝務[トキエダツトム]
1958年群馬県生まれ。立正大学大学院修士課程修了。現在、立正大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
7
いわゆる山岳信仰が、縄文時代までどうさかのぼれるのか… この問いに、考古学的に厳密な研究者たちがどう答えているか、知りたくて、手に取った。とても満足! 縄文時代にはかろうじてあった山岳信仰の痕跡らしきもの(断定は全くできない)が、弥生時代には高山で一つも見つかっていない事実とか、興奮した! ※ 同時期に出版された同著者の三冊の論文集のひとつ(他二冊は『山岳宗教遺跡の研究』『霊場の考古学』)。本書所収の諸論文(初出1983~2016)では、東日本の山岳霊場が主に取り上げられており、かつ山岳霊場論がいくつか。2021/07/19
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