内容説明
初版後の研究成果を受け、水野正好氏・西川寿勝氏の講演記録などを増補!邪馬台国体制からヤマト王権体制への継承を解く。
目次
第1章 卑弥呼・台与女王から崇神天皇の時代へ(日本史料と中国史料のはざまで;倭国と王都、邪馬台国と国政 ほか)
第2章 鏡がうつす邪馬台国体制の成立と崩壊(唐古・鍵遺跡の楼閣絵画と天門;わが国出土の呉の鏡 ほか)
第3章 弥生時代から古墳時代へ(邪馬台国=大和国説;広域政治連合の成立 ほか)
第4章 激動の時代、唐古・鍵遺跡から箸墓古墳へ(唐古・鍵遺跡から纒向遺跡へ;箸墓古墳の被葬者像 ほか)
増補(倭国王権の王宮と王墓;纒向遺跡大型建物の意義と大量の桃について ほか)
著者等紹介
水野正好[ミズノマサヨシ]
1934年大阪府生まれ。2015年逝去。大阪学芸大学卒。滋賀県教育委員会、大阪府教育委員会、文化庁記念物課、奈良大学文学部教授、同学学長、(財)大阪府文化財センター理事長を歴任
白石太一郎[シライシタイチロウ]
1938年大阪府生まれ。同志社大学大学院博士課程修了。奈良県立橿原考古学研究所、国立歴史民俗博物館、奈良大学文学部などを経て、現在大阪府近つ飛鳥博物館館長
西川寿勝[ニシカワトシカツ]
1965年大阪府生まれ。奈良大学文学部卒。奈良国立文化財研究所飛鳥藤原宮跡発掘調査部研究補佐員を経て、現在大阪府教育委員会文化財保護課副主査(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hyena_no_papa
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邪馬台国ヤマト説の考古学三氏、水野正好氏、白石太一郎氏、西川寿勝氏による共著。図版も多く読みやすい・参考になる好著とは思うが、文献に言及した部分では〝おっとっと〟という箇所が幾つか。例えば99頁では「『魏志』倭人伝には「邪馬台国」が二回記される」と書いたり(正しくは1回)、紹興本・紹煕本を北宋と書いたり(正しくは南宋)、、、145-146頁では、『後漢書』の倭奴国と『魏志』の奴国を同一のものとしているとか、一大率の解釈も?また裴世清を斐と書く。『書紀』のある本に見えるらしいが『隋書』を見れば是非は明らか。2019/10/21