内容説明
法隆寺はなぜ1400年も続いたのか。世界最古の木造建築・法隆寺の現在までの歩みは決して平坦なものではなかった。各時代で息を吹き返す太子信仰と、それを守るために奔走し続けた僧侶や人々の姿を追う。
目次
第1章 斑鳩の光と影(斑鳩とは;太子が訪れたころの斑鳩;古墳よ語れ ほか)
第2章 法隆寺再生へ(不死鳥のように;太子を供養する殿堂・金堂のなぞ;釈迦三尊像台座裏の文字が語るもの ほか)
第3章 時代に息づく太子信仰(太子への敬慕;法隆寺を訪れた藤原道真たち;法隆寺の復興に努めた高僧たち ほか)
第4章 法隆寺秘録(太子の遺宝;法隆寺を支えた財源;薬師信仰のメッカ西円堂 ほか)
第5章 江戸時代、奔走する法隆寺の僧たち(金堂や五重塔、夢殿を初公開した事情;江戸出開帳秘話;京・大坂での出開帳 ほか)
第6章 廃仏の嵐を超えて(吹き荒れる廃仏ほ嵐;混迷する奈良の寺院;維新の変革(宗派の併合) ほか)
第7章 戦争と昭和大修理、そして昭和資財帳の編纂へ(昭和大修理の特徴;斑鳩宮址と若草伽藍跡の発見;急がれた金堂と五重塔の解体 ほか)
著者等紹介
高田良信[タカダリョウシン]
1941年2月22日奈良県に生まれる。1953年法隆寺に入寺して、法隆寺管主佐伯良謙の従弟となり、翌年得度する。龍谷大学大学院修了後、法隆寺文化財保存事務所所長・法隆寺執事長・法隆寺昭和資財帳編纂所所長・法起寺住職などを歴任。平成4年から法隆寺の寺務一切を総括。法隆寺住職代行・法隆寺管主などを経て聖徳宗第5代管長・法隆寺第128世住職に就任。法隆寺伝統行事の再興と法隆寺昭和資財帳や法隆寺寺史の編纂などを提唱する。法隆寺昭和資財帳編纂の完成と百済観音堂の落慶を契機に法隆寺長老に就任。法隆寺昭和資財帳編纂の成果を踏まえ、ライフワークである「法隆寺学」の確立をめざし現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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