内容説明
牙・角製道具に秘められたひみつとは。出土遺物の詳細な考古学的観察と過酷な条件下での製作・使用実験から、酷寒の地に暮らしたマンモスハンターの製作技術の実態に迫るとともに、北方ユーラシアにおける旧石器時代研究の到達点を示す。
目次
第1部 牙と角のわざのひみつ(マンモスの牙、トナカイの角:かたちとなりたち;マンモスの牙とトナカイの角加工法の研究史;基本的な観察と考古学的な観察;マンモスの牙とトナカイの角の剥離実験;角と牙のたわみ実験―形状記憶 ほか)
第2部 酷寒に挑む旧石器時代の人びとと技―北方ユーラシアにおけるホモ・サピエンスとマンモスハンターの起源(酷寒の地に足を踏み入れたのは誰か?;旧石器時代における環境と文化の変遷史;寒さを味方にした人びと―マンモスハンターの文化の成立と展開;マンモスの骨格住居とマンモスの絶滅問題;マンモス牙製の槍に守られた少年・少女たち ほか)
著者等紹介
フロパーチェフ,ゲンナジー・アドリフォヴィッチ[フロパーチェフ,ゲンナジーアドリフォヴィッチ] [Хлопачев,Г.А.]
歴史学修士。ロシア科学アカデミーピョートル大帝記念人類学民族学博物館(クンストカーメラ)考古学課主任。ロシア・レニングラード市(当時)生まれ。国立レニングラード大学(1992年以降国立サンクト・ペテルブルグ大学に名称変更)で考古学を学んだ後、ロシア科学アカデミーピョートル大帝記念人類学民族学博物館(クンストカーメラ)に勤務。2004年修士号を取得。1999年に、ロシア科学アカデミー人類学民族学博物館によるデスナ川旧石器研究調査を主催し、ロシア及びウクライナ両国に広がるデスナ川流域の後期旧石器時代遺跡の考古学研究を総合的に行った他、20年間に及ぶ豊富なフィールド調査の実績を持つ
ギリヤ,エヴゲニー・ユリエヴィッチ[ギリヤ,エヴゲニーユリエヴィッチ] [Гиря,Е.Ю.]
歴史学修士。ロシア科学アカデミー物質文化史研究所評議員、及び国際使用痕研究情報センター「Trseo‐2」主任。ウクライナ・ドネツク州ゴルロフカ市生まれ。ノボアゾフスク市郷土博物館のインストラクター及び館長を勤めた後、国立レニングラード(現サンクト・ペテルブルグ)大学、歴史学部考古学講座で本格的に考古学を学ぶ。1984年、大学卒業とともに、ソ連科学アカデミー考古学研究所レニングラード支部(現在ロシア科学アカデミー物質文化史研究所)に勤務
木村英明[キムラヒデアキ]
史学博士。ロシア科学アカデミーシベリア支部、考古学・民族学研究所名誉研究員。札幌市生まれ。明治大学大学院文学研究科史学専攻を修了し、札幌大学に勤務。文化学部、及び大学院教授を経て、2008年退職。その間、北海道を中心とした考古学的調査はもちろん、イラク・ロシアなど海外調査、海外留学を経験
木村アヤ子[キムラアヤコ]
札幌市生まれ。同志社大学文学部文化学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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