内容説明
紀元前8世紀末から約千年にわたり中央ユーラシア草原地帯に独自の文化を形成し、古代文明世界をはじめ周辺地域に多大な影響を及ぼしたスキタイ王国の興亡を、アッシリア・ギリシア史料と最新の考古学資料の分析から叙述する。
目次
序 古代中央ユーラシア草原の騎馬遊牧民
1 スキタイ考古学研究のあゆみ
2 スキタイ遊牧国家をめぐる議論
3 スキタイ時代の編年的枠組み
4 キンメリオイ問題
5 第一スキタイ国家:北カフカス
6 第二スキタイ国家:黒海北岸草原の支配
7 第三スキタイ国家:クリミアの小スキティア
おわりに スキタイの文化遺産
著者等紹介
雪嶋宏一[ユキシマコウイチ]
1955年生まれ。1978年3月早稲田大学第一文学部卒業。1978年4月~2008年3月早稲田大学図書館司書。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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naoto
0
これでも自分には専門的過ぎるんだけど、名前だけ知ってる状態からは少し進歩できたかな。ロシア語で中国のことをカタイとかキッタイとか言うんで中国の方の遊牧民かと思ってたけど、ウクライナとかイランの方だったとは。世の中、まだまだ知らないことがいっぱいだ。2016/02/03
宵子
0
スキタイの歴史を主に考古学的に見ている。そのため、出土品の図版が多く掲載されているのが特徴かもしれない。個人的には、20世紀初頭にロシアで見られた「スキタイ主義」(確かエセーニンとかも関わったかも)の批判が興味深かった。また著者は司書の先生ということもあってか、参考文献が膨大でしかも洋書のものは何ヵ国語もあり、驚いた。余談であるが、何故かサブカルネタの元ネタが発見できた。①「ネウロイ」は一説によるとスラヴ人のことである。②またアヴェスター語で崩壊は¨balc¨というらしい。2012/08/12