出版社内容情報
「神君刀」を手に、斃す男は一人! 骨がきしみ、血煙が舞う。時代小説エンターテイメントの王道を往く「門田泰明時代劇場」。
時代小説の王道を往く「門田泰明時代劇場」新シリーズの下巻。ぐいぐい読ませる剣戟シーン、思わず膝を打つ会話のやり取り、心あたたまる情の場面の数々。謎の凶賊集団を殲滅せよとの幕命を受けた銀次郎の前に、正体不明の忍び集団が立ちはだかる。凄絶この上ない剣戟。激闘、激闘のはてに、凶賊集団の正体を知った銀次郎は、殺された友の名を叫びつつ、敵のあわれさに、胸に哀切がよぎった。時代エンターテイメントの傑作!
【著者紹介】
1940年生まれ。時代娯楽小説の王道を歩む「浮世絵宗次日月抄」「ひぐらし武士道」「ぜえろく武士道覚書」といった3つのシリーズで累計130万部を突破。
内容説明
銀次郎の全身から、さながら音を立てて炎を噴き上げていくかのような凄まじい殺気が放たれつつあった。双方まったく動かない。敵の「雷がえし」は殺意を隠し激情を抑え、黙々として暗く澄んでいる。月に雲がかかり、濃い闇が二人を包んだ。闇の中空で鋼の激突しあう音が聞こえ、無数の小さな火花が闇の中を走る。月明かりが戻り、二人の姿が浮かびあがった。ともに息ひとつ乱れていない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
59
拵屋銀次郎半畳記(無外流 雷がえし 下)門田劇場後半の幕開け、息をも就かせぬ展開に一気読み、一つ一つの描写が細かく、最後のどんでん返しには驚くが面白く読めた、大店太物問屋「近江屋」の女主人季代さんと主人公銀次郎の関係は・・・シリーズになる事を期待する。2014/05/20
真理そら
19
浮世絵宗次シリーズと同様に痛快娯楽小説的な要素満載の作品。「拵屋」という仕事が目新しくて楽しく読めた。この続きは『侠客』が決着してから一気読みする予定。「あとがき」がおもしろい。あとがきで左系の政治色を漂わせる作家さんは多いが、こんなに右系の政治色の濃いあとがきは珍しい気がした。2018/08/16
ベルるるる
17
話を広げ過ぎて、結末に信憑性が欠けた感じがする。でも、銀次郎と季代の掛け合いは愉快だし、二人のこれからも気になる。続きが出るなら読みたい!2016/11/23
C-biscuit
12
後半は、かなり斬り合いのシーンが多い。詳しくないのでこの辺りは駆け引きや細かな剣さばき、脚さばきは描写が細かくてもイメージできない。わかる人は読み応えがあるのだろう。この本においては、無外流の奥義が数多く出てくるが、ヒーローもののように技の名前を口に出してしまうのが、ある意味残念なところであるw。ストーリーは感状が中心にあるが、すべてが繋がるのは、本当に最後の部分である。以外とあっさりしたエンディングのようにも感じるが、長之助の父親の江戸入りがエピローグ的で良かった。あとがきの部分が政治色が濃く?である。2015/12/25
蕭白
4
仕事に行く前に読み始めてしまい若干後悔するくらいに面白かったです。2017/11/12