内容説明
長年にわたってアジアの茶文化の源流を踏査してきた著者が中国と日本の名茶の製造法から喫茶習俗・文化を紹介。日本の茶道文化と緑茶飲料の未来までを展望する待望の書。
目次
1 茶の歴史は緑茶から(中国茶の歴史と陸羽;少数民族の伝統的な喫茶習俗;日本茶の伝来と発展)
2 中国の名茶類(消えた古来の茶;中国の緑茶類)
3 日本の名茶類(古来の茶づくり;煎茶のつくり方;日本の緑茶と中国の緑茶;日本茶の分化)
4 ドイツ・アメリカの緑茶(ドイツの緑茶;アメリカの緑茶)
5 日本茶の二十一世紀(日本茶の特徴;未来を紡ぐ日本の茶)
著者等紹介
松下智[マツシタサトル]
昭和5年、長野県下伊那郡阿南町に生まれる。愛知学芸大学(現教育大)卒業。愛知県立西尾実業高等学校教諭、愛知県立安城農林高等学校教諭を経て、愛知大学国際コミュニケーション学部教授、社団法人豊茗会会長
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
83
日本と中国のさまざまな緑茶の産業の視点での話題が多い。 お茶は、日本、中国、インド、イギリスでは産業なのだということを実感。2014/06/08
R
23
緑茶の歴史を紐解いた本でした。いささか学術書めいた雰囲気もあり、歴史書や世界史といった内容とは異なり、資料をあたって、その来歴の確からしいところを解説するといったものでした。茶の起源は中国にありそうだけども、それもどこで、原初はどのように使われていたかも、推測しかできないという状況に不思議を覚えたり、中国茶と今楽しまれているものが、革命後に工業化されたもので歴史が随分浅かったりとの話が興味深い。日本の茶史も面白かったが、過去、現在、そして茶の未来を憂えるといった内容を楽しめました。2018/02/12
のんき
4
副題に「日本茶と中国茶」とあるけれど中国の名茶についての記述が多い。それも中国茶なかなか凄いよ、という調子で書かれていて、毒餃子事件後の今から見ると別世界のよう。とはいえ、茶樹が育つ適地は山間地であり現代の茶栽培が(中国に限らないが)効率重視等により平坦地でなされていることは自然とは言えないという指摘などはそのまま繋がっているようにも思えるし、その後の中国名茶の状況を知りたくなりました。2009/08/06