マオの肖像―毛沢東切手で読み解く現代中国

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マオの肖像―毛沢東切手で読み解く現代中国

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784639016588
  • NDC分類 222.077
  • Cコード C0022

出版社内容情報

新中国の政治の流れを,プロパガンダとして活用された「毛沢東切手」をキーワードにして解明。 目次 毛沢東切手の起源 マオの帽子 朱毛像から斯毛像へ マオの旗の下で 太陽になったマオ皇帝の晩年 毛沢東死後の毛沢東切手

マオの肖像・書評選
著者は郵便学の学徒を名乗る。それは「郵便という視点から国家や社会、時代や地域のあり方を再構成しようとするもの」で、本書では、毛沢東がどのように切手に登場し、はんらんし、やがて消えたかを丹念にたどり、中国の国家像に迫った。なぜそれが可能かといえば、切手の発行は、貨幣の発行同様に、すぐれて政治的な事業だからだ。
(朝日新聞 2000年1月23日 「新刊・私の◎○ 単行本」 評者:美術史家・木下直之)

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 カレーライスがインドの「顔」になる前は「天竺」と言えば「お釈迦様」だったように。
 かつて、パンダが中国を埋めつくすまえ「中国の顔」と言えば、この「毛」さんでした。
 笑った毛さん、手を挙げた毛さん、並んだ毛さん、本を読む毛さん…切手に描かれた毛さんの肖像が、遠く果たせぬ未来を見つめる眼から、まっすぐ前を見すえた瞳へ、そして同じ目線ながら、何時の間にか太陽のように天にまします「顔」へと変化してゆく裏には、様々な政治的思惑が交錯していた。
 コレクターにとっては「切手」が、ただの郵便料金票以上の意味を持っていることは言うまでもないが、これを小さな小さな、国家のプロパガンダの舞台と捉えると、教科書の挿絵では分からないような一つの歴史が見えてくる。
 「このコインに刻まれているのは誰の顔か?」と、一デナリに刻まれたカイザルの肖像を手に、キリストさんは教えを説いたが、この本の著者は、五分、八分の切手を手に、抗日戦争、統一戦線、国共内戦、大躍進から文革と、複雑に入りくんで分かりにくい現代中国史の諸相を見事に斬ってゆく。
 実に改作である。
 (雑誌『しにか』2000年4月号・書評より)

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 …本書の副題は「毛沢東切手で読み解く現代中国」となっていて、少なくとも二〇世紀の中国でくりかえしマオの肖像の複製が生み出されてきた経緯が語られているのだが、現代の日本では、こうした図像さえも消費の対象としては使い捨てに等しい意味しかもっていない。個人崇拝とかイデオロギーとか、そういう批判のレヴェルではないのだ。それが誰であっても、個人の顔などはたまさかの記号として以上の意味はもたない時代なのである。…(中略)…しかし、批判も畏怖もないままにイメージを消費するだけの状況が生まれだして、そのイメージの過去を知っている者にとっては奇怪なキッチュとなり、知らない者には異質な図像としてしか意味を持たなくなったとき、あえて「マオ」について語ることは微妙な冒険となるのではないか。(以下、略)
 (松枝到「キタイ周遊50・切手の中のマオ」『しにか』2001年5月号より抜粋)

内容説明

切手にあらわされた毛沢東。それは現代中国の激動の50年を雄弁に語る歴史の証人である!本書は、とくに文革期切手の熱気を冷静に分析・検証。郵便資料による歴史研究では定評のある著者による決定版。

目次

第1章 毛沢東切手の起源―抗日戦争の終結まで(~1945)
第2章 マオの帽子―国共内戦期(1945~1949)
第3章 朱毛像から斯毛像へ―中華人民共和国の建国初期(1949~1957)
第4章 マオの旗の下で―大躍進とその前後(1955~1965)
第5章 太陽になったマオ―文化大革命前期(1965~1969)
第6章 皇帝の晩年―文化大革命後期(1969~1976)
終章 毛沢東死後の毛沢東切手(1976~現在)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

28
デザイン通りの「神々しい偉人伝」と見る人向けでも、人類史に残る「極悪人」の犯罪歴を知ろうという人向けでもない。毛沢東同志の、ある程度の知識があるか、よく分からない人の鳥羽口として。当時当地で発行された切手を通して読み解く、中華人民共和国の権力変遷史。貴重な切手のデザインの背景。国事と外交のパワーバランスを象徴する配置。最高権力者の瑕疵を覆う欺瞞。現実を知っていると悪趣味極まりない、人々の朗らかで微笑ましい笑顔たちに戴かれる、偉丈夫の、 ”崩御”した後も、彼により人は死ぬ。2022/09/16

がんぞ

4
「マオが軍服の象徴である帽子を被った図案は軍が権力の中心にある時期を意味する」、また《中ソ分裂》の前後の工業製品の扱い(朝鮮戦争の評価は、いまだ定まっていないようだ)、マオと並立する同志などに、《竹のカーテン》の向こうの《中国皇帝》にまつわる政治動向が鮮やかに見てとれる。多くの証言者により《焚書坑儒を上回る大惨事》であったことが確定した『プロレタリアート文化大革命』時期には、他国では考えられない「標語」(数行ある)だけの切手が多数発行された。書物は『毛沢東語録』のみで十分というような、殺風景な当時を反映2016/08/04

産廃屋

3
「郵便という視点から国家や社会、時代や地域のあり方を再構成」する「郵便学」による中国研究で、切手における毛沢東の取り扱われ方を辿り、戦後中国史を概観する。事実の再確認の域を出ないが図案多数で興味深い。2014/02/08

シラハタ

1
cute

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