内容説明
いのちってなんだろう。死刑囚の独房という「異空間」でよまれた「異質な時間」の世界…極限の世界。いのちとは、生きるとは、別れとは…。生と死、臨界の声があなたの心を揺さぶる。昭和・平成の死刑囚秀句アンソロジー。
目次
孤独
絆―母・ふるさと
わが罪
生きる
別れ
鑑賞と解説(座談) いのちこよなし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keiniku
12
死刑囚の残した俳句を紹介した本。 お母さんを思い、家族を思い、友人を思い、命の価値を知り、死に怯え考える。 これを読んでいると、「この人たちを死刑にして良いものだろうか?」と思い、また「なぜ、この人たちは人を殺めたのだろう」とも思う。もし、この俳句を書いた中に冤罪で刑を執行された人がいたら、と考えると恐ろしい。2016/05/11
GELC
6
処刑前夜では昭和前半までなので、それ以降平成前半までの句に触れることができた。死刑囚に対する処遇は厳しさを増していると思うが、叫ぶことを止めない人もいるのだなあ。後半の座談会も興味深くて、悟ったような句を詠んだ人が一方ではどうしようも無い苦悩を表している二面性なるほどと思った。「綱汚すまじとく首拭く寒の水」など凄まじい句もあるが、人間である以上悟り切るのは難しいし、そもそも、彼らの悟りは被害者にとっての救いとなりうるのか…本当に難しい問題である。2023/06/23
おしっこ我慢しちゃう人たち
4
夜露死苦現代詩で引用されていたもの。すごく良かった。2013/11/25
hobby no book
1
俳句の解釈というのは難しい、と改めて思った。個人的には感覚的に読み解こうとするよりは字義通りに捉えようとしてしまう。そうした上で、選ばれた言葉の強さについて考えてみる。2014/03/13