出版社内容情報
卑弥呼や信長など歴史上の人物・出来事を天文現象から読む。「古天文学」が歴史の謎を解きほぐす。 目次 邪馬台国と卑弥呼の日食 織田信長と天文異変歴史のなかの皆既日食 ある幕府天文方の悲劇 江戸中期の初学天文書 古天文挿話・アラカルト【ほか】
内容説明
天照大神の「天の岩戸隠れ」神話は、日食か。卑弥呼との関係は、その年代は…。「本能寺の変」を予告した天変とは。人類の心の奥底に投影した、天体と人との悠久の対話史。1994年の『文部省学術用語集天文学篇』で学術用語ともなった「古天文学」。本書では、日月や星の運行、日食・月食や彗星などの「天変」を手がかりに、有史以来の歴史上の謎が「古天文学」によって解明される。
目次
第1章 邪馬台国・卑弥呼の日食
第2章 織田信長と天文異変
第3章 歴史のなかの皆既月食
第4章 ある幕府天文方の悲劇
第5章 江戸中期の初学天文書
第6章 古天文挿話・アラカルト
第7章 「〓惑守心」を考える
第8章 チンギス汗を助けた天文官
第9章 古天文学の先駆者・小川清彦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
狐狸窟彦兵衛
2
天正10年6月2日。本能寺の変のあった日付ですが、ユリウス暦からゴリオ暦に変更された年だそうです。前日(旧暦)6月1日に日蝕があった(はず)ということを調べようと図書館で見つけた本です。この他、古代史に現れる天文現象を現代の天文学の知見で検証し、当時の星空を再現していいて興味日貝エピソードが満載です。最終章に日本書紀の神武東征の記述にある天文現象が後世の「偽作」だと看破する論文を1940年(昭和15年)に書き上げていた東京天文台の職員・小川清彦氏の紹介は歴史を科学することの「深さ」を考えさせられます。2016/07/18