出版社内容情報
マルクスの思想は,一つにドイツ古典哲学,二つにフランスを中心とした社会主義思想,三つにイギリスで完成された古典的経済学の学的成果を総合的に批判統一したものといわれる。そのマルクスの初期的学問の本質を分析,解明を試みた論集。
内容説明
労働の疎外、分業、私的所有、私的所有の外在化、物象化、唯物史観、市民社会、共同利害と幻想的共同利害、市民社会の国家の形態での総括、これらの難解な諸概念の意味内容とそれらの相互の諸関連が、これまでの見解の批判的な検討をふくみながら、平易にかつ具体的に展開される。
目次
第1章 『経済学・哲学草稿』における労働の疎外と経済学批判
第2章 「ミル評注」における貨幣と私的所有の外在化
第3章 分業と労働の疎外
第4章 唯物史観と物象化
第5章 『経済学・哲学草稿』の分業論と『ドイツ・イデオロギー』の分業論
第6章 分業と交通形態
第7章 市民社会と国家
附論 『哲学の貧困』における経済学批判の方法について