出版社内容情報
飛鳥時代から明治直前まで,六国史を始め諸公家日記・勘文・書簡などあらゆる古文献史料所載の天文記事を集成し,コンピュータを導入して精密な天文学的・数理的検証を実施。天文記事を含む諸史料の年代確立・記事の信憑性・内容の正確度を判定する資料。
内容説明
わが国最古の正史『日本書紀』をひもとくならば、その随所にいろいろな天文記事が挿入されていることに気付くであろう。しかしながら、これらははたして古代の飛鳥人が確かに天体観測に行なって得た記録なのかどうか、この点をまず疑ってかからねばならない。本書はこの疑問に答えて、『日本書紀』につづく『続日本紀』以下の国史にも、天文記事の記載は多い。本書ではその調査の範囲の上限を飛鳥時代とし、その下限を明治直前とし、前後約1200年にわたって、公私の史料から天文記録を抜き出して、そのひとつひとつに数理的な解明を加え、記録の信憑性と内容の正確さの程度の判定を試みた。
目次
1 本書を読まれる前の予備知識
2 月星の食犯(429例)
3 惑星現象(599例)
4 星昼見(60例)
5 老人星(13例)
6 ハレー彗星(16例)