内容説明
青春と晩年を同時にかけぬけた、31年の生涯。
目次
第1章 ウィーンが燃えた日
第2章 もう一人の偶像
第3章 希望の年
第4章 ひそかな初恋
第5章 シューベルティアーデの誕生
第6章 第二の父親
第7章 さすらいへの出発
第8章 ふたつの光る点
第9章 あきらめの年
第10章 “冬の旅”
著者等紹介
ひのまどか[ヒノマドカ]
音楽作家。東京生まれ。東京藝術大学器楽科(ヴァイオリン専攻)卒業。東京ゾリステン他でヴァイオリニストとして活躍。東京藝術大学、故小泉文夫教授の下で民族音楽を研究。その後、作曲家の伝記や小説、音楽解説などの執筆活動に入る。現地取材がモットーで、「作曲家の物語シリーズ」(リブリオ出版・児童福祉文化賞を2度受賞)は全20巻中、19巻を手がけた。主な著書に『星の国のアリア』(講談社)、『総統のストラディヴァリ』(マガジンハウス)、『戦火のシンフォニー』(新潮社・第25回新日鐵住金音楽賞特別賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュリ
4
シューベルトがどのような人なのか知らなかった。温和で、うぬぼれたりすることがなく、目立ちたがらない人。このような人だから友達に恵まれたのだと思う。本当に友達によく助けられていて、よい友達に巡り合えている。2023/06/21
AKO
3
シューベルトに感情移入できる、キャッチフレーズの通り子どもにも読みやすい本かな。歌曲の王と呼ばれるシューベルトだけど、なかなか王道の作曲家人生を歩めたわけではなく。シュパウン始め、周りの理解者たちからの支えがこんなにもあったとは。お父さんや世間的にはなかなか難しかったけど。シューベルトの曲をより大切に思う気持ちが増した。31年の生涯はあまりに短すぎて悲しい。2020/06/08
wandawan
2
子供用に買った本だが、読まないので私が。しかしどんどん引き込まれてあっという間に読了。ちょっとドラマを見ているような構成で、子供も大人も読みやすい。子供なら高学年向き。 シューベルトの音楽って純度が高く、見栄やハッタリがない。過度に感情を表したり、オシャレにカッコつける曲もあるけど、シューベルトの作品にそれらが無縁なのは彼自身の性格をよく表していたんだ。自己アピールが苦手、世渡りや計算に疎い。 短く終わった人生だったけど、あなたの作品はその後何世紀にも渡り世界中の人々に愛されていますよ、とお伝えしたい。2020/10/11
しち
2
曲と肖像画から、もっと真面目で頭の固い人だと勝手に想像していたけど、全然違った。 能力を音楽に極振りしたような人で、お金や名誉には興味を示さず、曲を作ることと、友人に囲まれてニコニコして楽しい時間を過ごすことがとにかく大好きな、愛らしい人だった。 生前は出版した作品が少なかったのと商才がなかったせいか、地元でしか名が知れていなかったが、死後10年以上経ってから名だたる作曲家たち(シューマン 、メンデルスゾーン、リスト、ブラームス)によって曲が広められ、今日の世界的な評価に至ったらしい。2020/09/01
ともも
1
シューベルトのリートが好きで時々聞いていましたが、よく知りませんでした。シューベルトは親から無条件に認められていたら、もっと幸せな人生だったのではないかと思いました。明るい未来や美を感じさせる「楽に寄す」や「春の信仰」が好きです。2022/01/05