内容説明
祖国への思いを胸に音楽で戦った革命家。
目次
第1章 動乱の日々
第2章 亡命者の都
第3章 秘められた婚約
第4章 ジョルジュ・サンド
第5章 ノアン、最初の夏
第6章 実りの年月
第7章 再会
第8章 別れ
第9章 死出の旅
第10章 わが心のポーランド
著者等紹介
ひのまどか[ヒノマドカ]
音楽作家。東京生まれ。東京藝術大学器楽科(ヴァイオリン専攻)卒業。東京ゾリステン他でヴァイオリニストとして活躍。東京藝術大学、故小泉文夫教授の下で民族音楽を研究。その後、作曲家の伝記や小説、音楽解説などの執筆活動に入る。現地取材がモットーで、「作曲家の物語シリーズ」(リブリオ出版・児童福祉文化賞を2度受賞)は全20巻中、19巻を手がけた。主な著書に『星の国のアリア』(講談社)、『総統のストラディヴァリ』(マガジンハウス)、『戦火のシンフォニー』(新潮社・第25回新日鐵住金音楽賞特別賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちい
6
ショパンの生きた時代のフランスやポーランドの歴史が分かり、ジョルジュ・サンドとの大恋愛や別れなど、その時々の彼の心情や祖国への想いが、見事に曲に表れている。詩的に、時に情熱的に、想いを美しい旋律に変えられる才能は、神から与えられたギフトなのだろう。どういう時にそれぞれの曲が生まれたかが紹介されているので、聴きながら読むことで、彼の想いを感じられる気がする。当時活躍した画家ドラクロワや、作曲家リストとの温かい交友関係も知ることができ、偉大な芸術家たちの人間性を垣間見ることで親近感が湧く。2025/02/02
しち
3
まさに激動の人生。児童向けの伝記小説で、読みやすく、内容も濃かった。読んでいてとても楽しかった。 ショパンはピアノで戦う革命家だった。そしてとても純粋だった。2020/07/30
ジュリ
2
ショパンは一番にピアニストと称えられるほど、素晴らしい演奏だったようだ。一度聞いてみたかった。そして、すごく繊細な人。思い悩んだり、体を酷使してしまったから、病状が悪化してしまったのではないだろうか。明るい気持ちを持つこと、休むことは、健康を保つうえで大切だ。2024/02/19
ともも
2
子供向けなので、とてもわかりやすい。ショパンの繊細な音楽は、繊細な心から生まれていた。サンドという女性は、奔放なお嬢様で、魅力的だったのだろうなと思う。久々にピアノを弾いてみようと思った。2021/11/18
みさと
1
ピアノの詩人の一生。20歳にロシア支配に苦しむポーランドを出て以来、39年という短い生涯を閉じるまで一度も祖国の土を踏むことがなかった。革命に倒れた仲間たちへの思いを音楽に込める。天才ピアニストとしてパリ社交界の寵児となるが、不特定多数の視線にさらされるホールでのコンサートは苦手だった。結核の不安を抱え寒さと湿気に晒される冬には血を吐きながらも、紡ぎ出される音楽は美しさの極地。ショパンというとジョルジュ・サンド。一般的に悪女扱いされるサンドだが、読みながら惚れてしまいそうなイケメン女性として描かれている。2025/04/25