内容説明
怪物の頭脳が「鉄のカーテン」の向こうに夢見た未来。10歳から読めるクラシック音楽入門書。音楽が試聴できるQRコード付き!
目次
第1章 ディアギレフとの出会い
第2章 ロシア革命
第3章 日本の夏
第4章 自由の女神の足元で
第5章 パリは永住の地か?
第6章 “ピーターと狼”
第7章 “戦争と平和”
第8章 スターリン賞
第9章 沈黙の時
第10章 二つの葬儀
著者等紹介
ひのまどか[ヒノマドカ]
音楽作家。東京生まれ。東京藝術大学器楽科(ヴァイオリン専攻)卒業。東京ゾリステン他でヴァイオリニストとして活躍。東京藝術大学、故小泉文夫教授の下で民族音楽を研究。その後、作曲家の伝記や小説、音楽解説などの執筆活動に入る。現地取材がモットーで、「作曲家の物語シリーズ」(リブリオ出版・児童福祉文化賞を2度受賞)は全20巻中、19巻を手がけた。主な著書に『星の国のアリア』(講談社)、『総統のストラディヴァリ』(マガジンハウス)、『戦火のシンフォニー』(新潮社・第25回新日鐵住金音楽賞特別賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
61
幼い頃から音楽家としての才能を開花させ、ペテルブルグ音楽院卒業後はロンドンで名プロデューサー・ディアギレフに会い才能を認められ、前途洋々かに見えたプロコフィエフ。だが、帝政ロシアからソビエトへと変わる激動の時代、幾多の苦難のあとパリでディアギレフと再会するもディアギレフが急死、自分の居場所を見つけられずソ連に戻る。ソ連もまた「ソ連を代表する作曲家」と銘打つためにプロコフィエフを利用するが、57歳のとき党中央委員会は彼を「形式主義作曲家」として批判し、ソビエト全土で演奏禁止になってしまうという波乱の人生。2023/04/27
マイケル
7
単なる音楽家の伝記にとどまらない、2つの世界大戦や社会主義革命、その後のスターリン恐怖政治時代の音楽家の苦労など強烈な時代背景が伝わってくる。なぜソ連に戻ったのか不思議だったが政治情勢に無頓着だったせい。しかし、ジダーノフ批判とKGBによる離婚/再婚命令など政治に翻弄。傲慢で無遠慮なプロコフィエフも一筋縄ではいかない怪物。 別居中の妻リーナがスパイ容疑で強制収容所へ。若いロストロポーヴィチとの親交。スターリンと同じ日に亡くなるとは。あとがきに今のウクライナ戦争はプロコフィエフの時代に逆戻りと書かれている。2024/04/13
ジュリ
3
プロコフィエフが生きていた時代は戦争があって、自由な活動ができなかった。今は自由な表現が許されていて、音楽も自由に発表できて恵まれている。2023/07/24
さかな
1
傲慢で冷酷な天才、というイメージは実に人間くさい感受性豊かな情熱家であることの裏返しかもしれない。激動の時代にあっても音楽に向き合い続けたひたむきな仕事ぶりに胸を打たれる。2023/09/01
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