内容説明
ニホンオオカミは大神(狼)として、今も生き続けている。各地に遍在する狼像の存在に関心を抱いた写真家が、実際に現地を訪ね歩いた渾身のフォト・ルポルタージュ。ニホンオオカミの記憶を掘り起こすユニークな旅の記録。
目次
1 オオカミとの出会い(椋神社のオイヌゲエとは?;狼の棲む秩父桃源;オイヌゲエをハシゴする;お犬さま信仰の三峯神社と武蔵御嶽神社)
2 狼像の聖地へ(「ニホンオオカミ」から「お犬さま」へ;関東平野の狼像;奥多摩のユニークな狼像;七ツ石神社の再建プロジェクト)
3 大神への祈り(岐阜県と静岡県の狼信仰;東北地方の狼信仰;西日本の狼信仰)
著者等紹介
青柳健二[アオヤギケンジ]
1958年、山形県生まれ。メコン川流域の少数民族、棚田、犬像など、独自の視点で旅を続け、作品を発表し続ける「旅する写真家」。2006年、棚田学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりお
35
日本各地のお犬様、つまりはオオカミを奉る神社について。写真と解説、オオカミ信仰にまつわる小話など。行ってみたいのは七ツ石神社。最近再建プロジェクトが完成した場所だ。2019/06/09
りー
26
研究系の本ではなく、カメラマンの著者が気の向くままに日本各地の狼信仰、特に狼型の狛犬像を追った写真メインの紀行文のような本で、気楽に楽しめます。やはり秩父は狼信仰の聖地なんだと分かりました。それも、ヤマトタケルと結びついている(三峯神社)。古代の関東には牧が多かったので馬への被害も相当あったと思うのに、畏れはするけれど殺さない絶妙の距離感を感じます。各地の狛犬像はずんぐりむっくりだったり、シュッとシャープだったり、個性豊か。巻頭のお犬さま御札コレクションが格好良くて、思わず欲しくなってしまいました。2021/09/12
めんつゆ
25
タイトルと表紙の通り、狼像をめぐる旅の記録である。個人的には夜道を歩く人をつけ回す妖怪と思われていたが実は…という「送り狼伝説」、「狼石の下は洞窟」「弓を持った侍」「狼像は関東平野に多い」あたりについ反応してしまう。写真も多く、それこそ著者と一緒に旅しているような感覚を味わえるかもしれない。 お天道さまみたいにニッコニコ …とまではいかないかもしれないが彼らを見ているとなんとなく微笑ましい気持ちにもなり得る。私的には白山神社左脇の妙に核心を付いたような眼差しの狼像が印象的。2022/02/23
らむだ
5
日本各地の狼像や狼信仰を追いかけた紀行文。 写真家の著者らしく、豊富な写真資料も載っていて情景も浮かんでくる。 巻頭の狼像と御札の写真が美しい。 また、巻末にしっかり参考文献が示されているので、知識を深めたい方にも優しい。2021/11/30
だんごや
5
著者の青柳さんは写真家なので当然ながら写真が綺麗。つまみ読みするだけでも楽しいです。ビジュアルつきの紀行文としても良し。オオカミ狛犬巡りのガイドブックとしても良し。2019/11/25
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- 和書
- 従容録 〈中巻〉