内容説明
「超人」ラインホルト・メスナーがエヴェレスト初登頂の謎に迫る。
目次
1 インターネットに鋲靴が
2 頂稜に消えた
3 落ちていたピッケル
4 南面から登頂
5 真夜中に登頂?
6 人海戦術
7 東方への旅立ち
8 北面からの攻撃
9 第二ステップ
10 登高
著者等紹介
黒沢孝夫[クロサワタカオ]
1949年生まれ。三十数年にわたって広く世界の山を歩く。現在は丹沢山麓に在住。訳書に「生と死の分岐点」など
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感想・レビュー
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梅子
1
8000m14座無酸素登頂を成し遂げた著者だからこそ許される、自分を死んだマロリーに憑依させて俯瞰するエベレスト登攀史と一登山家の神格化。ナンガの時も感じたが、登山家にしては文章力が優れていて、延々と感情の吐露が続いても充分読める。大英帝国の威信をかけた遠征隊でヒーロー=マロリーが登頂できず遭難死し、真のエベレスト初登頂者はニュージーランド人のヒラリーとシェルパのテンジン、という鮮やかな英国の敗北劇を嘲笑しつつ、エベレストが未登で無垢で悪魔的ですらあった時代を懐かしむ気持ちは、スケールは違えど良くわかる。2023/07/15
つちのこ
1
今となってはマロリーとアーヴィンがなぜ滑落したのか分からないが、登頂できなかった説は有力となっている。事実、マロリーを知るほとんどの登山隊員たちが、登頂に懐疑的であったという。彼らが、マロリーの崇拝者ではなく、生身の人間マロリーを知っていた仲間であったことによるものだといわれている。死後、マロリーのエベレスト登頂の真偽が騒がれ、謎として増長していったのは、マロリーのカリスマによるものが大きかったのだろう。1999年マロリーの遺体が発見され、再びマロリーブームが起こったのは記憶に新しい。2000/09/28
lopmomo
1
マロリー関係の本を読もうと思い、2冊図書館で借りて、有名登山家のこちらの方に大きな期待をかけ後から読んだ。期待は大きく裏切られた。すごく読みにくかったし、おもしろくなかった。2013/01/02
iku
1
エヴェレスト、そうだった難攻不落の山だった。冒険者の話を読むと、いつも「冒険遺伝子」の有無について思う。前人未到とか、秘境とか、限界に果敢にチャレンジしていく人々によって、人類が得てきたものと、なくしてきたものについて、やっぱり考えさせられるマロリーの死でした。2012/01/05
Tomotaka Nakamura
0
超人メスナーがマロリーに成り代わって、後輩登山家たちと自分の(マロリーの)「心情」を綴る。エベレストは特別な山だからこそ、人々は群がる。マロリーを通して、メスナーの商業エベレスト批判を語る。2017/10/08