目次
第1章 山の様相が変わる時代(新型コロナウイルスのパンデミックが世界を変えた;「トカイナカ」への移住がすすまない理由 ほか)
第2章 山を所有する豊かな楽しみ(山林を所有する魅力とは;山林を持つデメリットはあるか ほか)
第3章 山林売買から管理まで(山林はどこで探すか;山林の価格の相場を知るには ほか)
第4章 山林を取り巻く世界の現状(日本の山林が抱える課題は;森林と「SDGs」の関わり ほか)
著者等紹介
福〓剛[フクサキゴウ]
鹿児島県生まれ。東京大学大学院修了(都市工学専攻)。日本ペンクラブ会員。登山歴は、アイガー、マッターホルン、モンブラン、エトナ火山など。メドック・マラソンを5回完走したボルドーワイン騎士(コマンドリー・ド・ボルドー)。マンション管理問題から、景観保全のまちづくり、資産価値の高い住宅選びなど、都市計画的な視点でわかりやすく解説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
93
仕事絡みで考えたきテーマがあり、その導入編として数冊借りた内の一冊。山には涵養という面があると思う。それは人への精神的なものに始まり水や魚への涵養。当然に古来からの木材という涵養。そして、近年は人へアウトドア等の涵養。加えてカーボンニュートラルとしての涵養。山を買うというタイトルより山を不動産として見るという多数項目の概要的入門書として、上手くそれらが抱合され一つの読み物となっていた。2022/11/23
ちびbookworm
45
★3.不動産に明るいライターが取材してまとめた感じ。山林売買業者や研究者ではない。コロナ禍、ソロキャン目的に山林購入者が増えているが、「+ー」を熟慮すべきと警鐘鳴らす。山は、多機能(木材利用/水源林/防災/生物多様性/カーボン貯蓄)備えており、公益的役割もある◆山林購入者の購入目的は、①ソロキャン、②森林保全、③自然保護、④蓄財・投資、⑤コモンズ(入会地)の復活(仲間と間伐等)◆また、見落としがちな、購入後の「管理」の視点、課題も解説。結論、「森林組合」とうまく関わるのが◎◆後半は眠りを誘う授業のよう。2021/05/26
ワッピー
37
読み友さんの感想から。コロナ禍の影響で密にならない自分の場所を求めて山林を買おうというプチ・ブームが起こったという。しかし、実際には都会以外の自分の居場所として、あるいは専用のキャンプ地として、はたまた自分でキャンプ場を運営しようというニーズは以前からあった。実際に山林を買った人のインタビューを中心に、地価の安い山林を買うことのメリットとリスクを説明。「自分だけの土地」という甘美な幻想をくすぐられるが、実際に利用できるようにするためのライフラインの確保費用や災害が起きたときの自分の山から出た倒木などで ⇒2021/10/30
アナクマ
33
一般にはよく知られていない山林の売買。芸人ヒロシのソロキャンプあたりを入り口に案内します。その全体像や具体的なこと(手続きやインフラ整備など)の紹介が4分の1。実際の購入者たちの楽しみ/想い/苦労の声が4分の1。◉「山林の価値がこれから大きく変わっていくことに期待したい」と後書き。(どのように変わることを望んでいるのかは、読み落としたかもしれない)。◉山林と人間、どちらが鋳型で鋳物かわかりませんが、ヤマの姿かたちはヒトの望みに応じて変わると思っています。願わくば、持続性を重んじる趨勢の強からんことを。2021/07/12
おかむら
32
ヒロシが山を買ったことからキャンプ芸人の間で山林購入が流行ってるとか? そこでヤマケイ新書からその名もズバリ「山を買う」。どこで売ってるのか山、というそもそもの疑問から丁寧に教えてくれます。実際に山を買った人12名に聞く第2章が人それぞれで楽しい。そして実際に買うとき気をつける点、購入後の管理まで、にわかキャンパーがブームに浮かれて買っちゃうとえらい目に遭うよと警鐘を鳴らしてくれます。なーんか逆に詐欺の手口にも使えそう(あ、ドラマとかでだよ)。2022/03/31