内容説明
道具や手指を器用に使わなければ、暮らしていけない時代があった。先端技術によって便利になった代償に、根源的な「生きる力」を失いつつある現代。現場からの証言で、その象徴としての刃物と人間の関係を再考する。
目次
第1章 刃物の歴史と現代(人類と刃物―原始技術史・民族文化史・身体科学の視点から;法律と刃物―銃刀法の現状とその影響)
第2章 子どもと刃物(学校と刃物―肥後守で鉛筆を削る小学校;野遊びと刃物―ガキ大将キャンプで30年間ナイフを与え続けて)
第3章 生きるための刃物、暮らしと刃物(災害と刃物―3・11避難所でのものづくり「刃物のチカラ」;暮らしと刃物―山村留学の子どもが言いました「刃物は生活の宝もの」)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MOKIZAN
15
何とも散漫な一冊、落ち着いて読み通せなかった。折角いいこと書いてあるな、と感じる箇所は多かったのだが..この国では刃物は”くらしのパートナー”ではなく、ただただ”危険な物”という思想に傾倒いるらしい。だけど、端的に言って「刃物が自ら人を刺す」じゃなくて「人が刃物で他人を刺す」んですよね。根本の認識が歪んでるんじゃないの?頭脳で勝ち目無くして、この先指先遣いもトロくなって、これからの日本人は、どこに他国との優位性を見出すのだろうか。”ボンナイフ”も取り上げて欲しかったな、とか思ってたら包丁で指を切っていた。2016/06/30
NBかえる同盟
2
子どもの「手が虫歯になる」「指が音痴になる」という表現に笑いつつ、自分もそんなに器用に刃物は使えんなぁとも思う。たまに「おい、ほんとかよ!?」と突っ込みたくなる例え話もあったが、教育関係者、ナイフ雑誌編集者、ナイフメーカー…と様々な立場の講師が「刃物と日本人」について語る本。結構面白かったです。2016/05/08