星野道夫 永遠のまなざし

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784635340205
  • NDC分類 740.21
  • Cコード C0095

内容説明

1996年8月8日未明、カムチャツカ半島クリル湖畔、星野道夫のテントは、1頭のヒグマによって切り裂かれた!あれほどクマに深い理解と愛情を持っていたはずのミチオが、なぜクマに襲われなければならなかったのか?ミチオを知る人たちは、あまりに皮肉なその訃報に茫然となったまま、立ち尽くした。原因は単なる不注意や油断なのか?―その汚名をそそぐため、友人たちは奔走する。そして10年の時をかけ明らかにした事故の真相は、ミチオが最も嫌った、人間の愚かな行為にあった。志なかばだったミチオの目指したもの、私たちに問いかけた永遠のメッセージとは…。

目次

第1章 星野さんが…何故?(「突発的な襲撃」で終わるのか;明らかにされた事実;信頼という功罪)
第2章 畏れが人を謙虚にさせる(ヒグマとの共存、超えられない線)
第3章 星野道夫永遠のまなざし(人類の移動、協調の精神;アラスカが教えてくれるもの)
第4章 星野道夫が残してくれたもの

著者等紹介

小坂洋右[コサカヨウスケ]
1961年札幌市生まれ。旭川市で育つ。北海道大学卒。英オックスフォード大学ロイター・ファウンデーション・プログラム修了。アイヌ民族博物館勤務などを経て、1989年から北海道新聞記者。北海道庁公費乱用取材班として新聞協会賞、日本ジャーナリズム会議(JCJ)奨励賞を受賞

大山卓悠[オオヤマタカハル]
1954年山口県岩国市に生まれる。79年、東京水産大学(現東京海洋大学)を卒業。米国スクリップス海洋研究所留学。81年から北洋延縄刺し網協会に勤務し、日米漁業交渉に従事。85年、米国アラスカ州に駐在。90年に協会を辞職して水産コンサルタントとして独立。2002年からアラスカ航空勤務。アンカレジ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶち

95
ヒグマの生態は熟知していたはずの星野さんが何故襲われてしまったのか。それを考えるのを避けてきました。何か怖いことのように思っていたし、星野さんの残してくれた写真や文章から得られるものだけで充分に幸せを感じられていたからです。『旅をする木』読んでから20年たってやっと事故に触れてみようと思えるようになりました。読み終わって感じたことは、個人の生死の問題ではないこと。星野さんが絶えず問い続けていた"自然と人間の共存"という課題とそれに対する星野さんの想いこそが星野さんが我々に遺してくれた幸せであると..2018/09/16

tu-bo@散歩カメラ修行中

41
2006/9上梓。Y図書館本。TBS動物奇想天外出演で1996年8/8ロシア領カムチャツカ半島でヒグマ事故で急逝した星野道夫さんの死の真相を彼の友人2人が調べた本です。TBS発表に違和感を覚えた2人の友人は彼の名誉のために調べ真因が餌付けされたヒグマであること、事前にその兆候が確認されていたこと、星野を含めて誰も悪い人はいなかった一方で誰も正しい事をしなかった避けられた事故であると述べている。意外な話として星野さんが写真を天職と思っていなかったこと民俗学の検証としてシベリア移住を考えていた事を上げている。2018/06/04

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

26
星野氏の事を全く知らなかった事件当時は小坂氏らが恐れていたように、ニュースで発表された第一報をそのまま鵜呑みにしていました。しかし最近になって初めて星野氏の写真集を手に取り、彼の著書を調べているうちにあの事件に行き着きました。そしてその時になってようやく発表された事に対して疑問を持ちました。そういった意味でも星野氏が亡くなった真相を追求しようと行動を起こした彼らには頭が下がります。そして改めて星野氏の早すぎる死が重くのしかかってきました。星野氏の作品を知る人にはこの本を是非手に取って欲しいです。★★★★2011/12/19

陽子

25
美しい写真集、エッセイ等を何冊か見てきた後の、著者が遭遇した熊事故死についてをまとめた本書は、手にするのが辛い気持ちだった。10年の歳月を掛けて、死の真相を明らかにしようと取材してきた小坂、大山両氏の執念。当時の番組ロケの関係者の証言、様々な事柄。‥微妙。土地が変われば人も変わる。熊生態も同様だったのかな。アラスカとカムチャツカでの人間含めた熊環境の違い。人間の浅はかな餌付けが、熊の学習行動にもたらした異変。わかっていたはずの星野氏。どこで狂いが生じたのか。人間と熊の間に横たわる種族の違いは超えられない。2020/03/13

ろくべえ

16
〈再読〉一般書。こちらは今回のブックトークを機に星野さんに興味を持ってくれた担任の先生に個人的にお貸ししました。「どうぶつ奇想天外」のファンでもあったし、今でもあの日のニュースの衝撃は忘れられません。何かの間違いか、報道されない真実があるに違いないと思い、10年経ってこの本に出会った時にやっと納得ができました。星野さんに知らされなかった情報、野生の熊に決してやってはならない事、これは人災だと怒りも生じたけれど、なぜか宮沢賢治の『なめとこ山の熊』と共通するものを感じたのでした。2018/06/28

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