内容説明
大正年間から昭和初期にかけて、東京近郊の低山を歩いて健筆をふるった高畑棟材。霧藻会や霧の旅会を足場に活動し、滋味あふれる文章で低山趣味を鼓吹した彼は、後年ぷっつり消息が途絶えてしまう。だが、じつは病とたたかいながら戦後を生き続け、貧窮のうちに生涯を終えたのだった。ある登山家の数奇な一生。
目次
序章 出会い
第1章 その生涯
第2章 霧藻会
第3章 墓畔の草
第4章 奥高尾山岳会
第5章 霧の旅会
第6章 山を行く
第7章 東京附近の山々・奥秩父と其附近
第8章 行雲とともに
第9章 山麓通信
第10章 山の子供達
終章 多芸の人