文春文庫<br> ゆれる

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文春文庫
ゆれる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167845018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

映画界のみならず文壇でも注目を集める著者の小説処女作。女性の死をめぐる兄弟の相剋が、それぞれの視点から瑞々しく描かれる。

内容説明

故郷の田舎町を嫌い都会へと飛び出した勝ち気な弟・猛と、実家にとどまり家業を継いだ温厚な兄・稔。対照的な二人の関わりは、猛の幼なじみである智恵子の死をきっかけに大きく揺らぎはじめる。2006年に公開され数々の映画賞を受賞した同名映画を監督自らが初めて小説化。文学の世界でも大きな評価を受けた。

著者等紹介

西川美和[ニシカワミワ]
1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。02年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を獲得し、06年『ゆれる』で毎日映画コンクリール日本映画大賞など数々の国内映画賞を受賞。09年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。執筆活動にも意欲的で、『ゆれる』で第20回三島由紀夫賞候補、『きのうの神さま』が第141回直木賞候補に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

325
西川美和さん、なんという感性の持ち主なんだろう。猛、智恵子、稔、三者三様の個性がおそろしいほど立ち昇ってきて、読んでいるわたしらを苦しくさせる。登場人物たちの会話の妙、ビジュアルに訴えかける描写、まさに映画監督さんであり、優れた作家さんだと思う。映画のDVDも、もちろん手に入れることにする。2018/03/26

さてさて

170
『今までのこと、今日のこと、全てをここで兄に話して、謝ってしまいたかった。許しを請いたかった』。オダギリジョーさん、香川照之さん主演、西川美和さんが監督され、多くの映画賞を受賞した同名映画を監督の西川さんご自身がノベライズしたこの作品。そこには、登場人物たちのかたりによって展開する物語の姿がありました。映像が浮かび上がってくるかのような表現の数々に魅せられるこの作品。兄と弟それぞれの複雑な心の闇を垣間見るこの作品。「ゆれる」という書名の絶妙さに感じ入る読後に、映画も是非観てみたいと思う、そんな作品でした。2024/02/29

H!deking

104
いやこれ面白いにも程がある!映画じゃ描ききれない部分もくっきり描かれてました。監督自らのノベライズだから当たり前だけど(笑)映画でオダギリジョーが乗ってた64年式のファルコンワゴンは小説でもそのままでした(笑)とにかくオススメ!2018/11/06

アッシュ姉

85
読友さんのレビューに惹かれて、西川さん初読み。原案・脚本・監督を手掛けた映画のノベライズ。何だかすごいものを見てしまった。相手に伝わっていると思い込んでいた自分勝手な気持ち、知りたくなかった相手の本音、押し殺してきた感情が爆発する瞬間、分かり合えていたはずの家族の本性。知るのが怖くて見ないふりをしてきたものを次から次へと見せられたようで言葉を失う。どうしようもなく揺れる。これは映画も是非観てみたい。2018/12/25

ゆのん

74
2006年に公開された同名映画を監督自身で小説化したもの。誰も身内が居ない孤独感も寂しく辛いのかもしれないが、家族間が拗れるとこれほど厄介なものはない。映画は数々の映画賞を受賞したらしいが小説も映像が目に浮かぶ様で読み易かった。登場人物それぞれの目線からの構成になっていて同じ場面でも視点が違う事で気持ちの違いが面白く同時にヒリヒリする感情がぶつかってくる。機会があれば映画も観てみたい。2612019/09/04

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